My little princess
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初めてなまえに出会ってから
僕は4人の兄達と約束した。
彼女は僕ら5人の宝物だ。
みんなで大事にするんだ。と。
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My little princess
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いつもの5人が集まった談話室。
そこに訪れ「合同宿舎を出る」と爆弾発言をしたなまえを、真っ先に止めたのはジェジュンヒョンだった。
「アンデアンデ!!冗談じゃないよお!なまえ出て行ったら誰が夜食手伝ってくれるのお!?」
デビューを数ヶ月先に控えた僕ら5人は、これから始まる共同生活の前段階として合同宿舎に居た。
宿舎の中では班ごとの寝室こそ男女に分かれているものの ロビーやテレビのある談話室では男女問わず練習生が出入りしている。
そこに集まった僕ら5人は、僕より2つ年下の小さななまえの体を取り囲み、アンデを連発していた。
レッスンを終えテレビを見に来た者からすれば騒がしいと思われているはずだが、誰も止めには来ない。
これまでの僕らの行動を知っていて、僕らが彼女を取り囲めば騒がしくなるものだと諦めているのに違いない。
この宿舎に居る者は、みなダンスと歌に研鑽し、ある者はグループで、ある者はソロで、芸能界を目指す卵ばかりだ。
ついこの間までその1人だったなまえはしかし、今はそうではないのだろうか。
ユノヒョンがなまえの手を握って前に座り、視線を合わせて聞いた。
「レッスンはどうするんだ?家から来るのか?」
「いいえ…あの、レッスンも、やめるんです」
「…なあなまえ…辛いのか?レッスン。それでやめるのか?」
「あっ違うんですそうじゃなくて。…私、日本に帰ります」
なまえは韓国人ではない。
家庭の事情から両親とともに韓国に住み、身も心も韓国人といっていい彼女だが…
日本名を持ち、日本語も喋り、日本の文化を親から受け継ぐ日本人だ。
それは十把ひとからげの練習生の中で強い個性になっていたし、僕らが彼女を初めて見た時に強く惹きつけられたのも、どこか心もとない異邦人の空気があったからだと思う。
僕らはこぞって可愛い妹に近づきたがり、あらゆる手段で気をひき、そして今。
こうして、6人で居ることが当たり前と自他共に認識されるまでに至った。
彼女に何かあれば真っ先に駆けつけるのは僕ら5人であり
僕らのデビューを真っ先に喜んでくれたのは彼女だった。
けれど。
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