Hold me tight.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
引越が決まったらこういう細々したものも梱包して、荷物もまとめないといけない。
服は衣装ケースのまま持っていってもらえるだろうか。
業者も探さないと。
全部一人でしないといけない事を思うと、楽しみに思っていた引越も少し億劫に感じられた。
チャンミンは…
…きっと手伝ってと言ったところで忙しいと断るだろう。
実際忙しいのだし、引越なんて恐らく他人事だ。
そういう、ある種サッパリしたような性格が好きだと思ったからこうして一緒に居るのだが…
過干渉と親切は別物なのだと、こういう時には痛いほど感じる。
「終わりましたよ。お茶は?」
「ぅわ、」
「まだですか?」
「まだ、ちょ、重い」
「体重かけてませんよ」
後ろから伸びてきた大きな手に抱きすくめられて上半身が俯く。
恥ずかしさからではなく、単純に上からの圧迫に負けているのだ。
「背、でかいんだからもう、ちょ、手加減!」
「してますよ。これでも」
「重い、苦しい!」
遊んでいるのか、腕の中がさっきよりも窮屈になる。
持っていたティーポットは動かせなくなってしまった。
「お茶、入れられないってば」
「早くしてください」
声がニヤニヤしている。
自分がオモチャにでもなったようで、本当にシャクだ。
「もう、あのねえ、チャンミンの背ってほとんど家具なんだから!考えてよっ!」
「家具?」
「でかいの!重いの!潰されそうだからやめてほしいの!」
「そこまでじゃないですよ。ひどいなあ」
「ちょ、もうっ測ってあげようか!?」
私がメジャーを顎で指すと、チャンミンの視線も動いたようだった。
ようやく腕をほどいてメジャーを手にする。
「どうしたんです?なんでこれ出してあるんですか?」
「使ってるから」
「何に?」
「部屋のサイズ測るのに」
「部屋の?なんで」
「引越すから」
勢いづいていたせいで、ティーポットの蓋を開けながら振り返りもせず言ったからだろうか。
チャンミンの質問が止まる。
機嫌を損ねる言い方になったかもしれない。