ころがる林檎
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ジェジュンの家は私の家と同じ沿線にある。
ジェジュンの部屋はタバコ臭くて、素行はほんとうに悪いなあ、とウンザリする。
付き合うようになってから今日までに、何度このことでケンカしたか分からない。
「タバコやめなさいって」
「違うもおんおれじゃないもん親父だもおん」
「はいはい」
「その返事やだあー興味もってえ!」
「はいはい早くテキストあけて」
「…いや」
「ねーほんと、やらないと間に合わないよ?」
「やーだ…、ねー、先に、いっかいだけ…」
「いーや、って、ば、もう!ちょっと!」
「いや。ちゃんと興味もって。何回言ったらわかるの?」
出た。
いつもマイペースでニャンニャンしているジェジュンが、冷たい綺麗な顔を見せる。
数日に一度、彼はこうして私の注意をその綺麗な顔で奪って口付け、その先を求める。
あの夜を限りに、求められても応えずここまできた私に不満を抱いているのだ。
興味を持てといつも言われているが、ジェジュンに興味がないわけではない。
ただ、ジェジュンが興味を持つものに興味がないだけだ。
ジェジュンが興味を持つもの。
それはタバコだったり
音楽だったり
女性だったり…これは、今は自分なのだが。
「ねえ…ちゃんと見て」
「見てるよ」
「おれ、ほんとになまえ好きなんだよ?うそじゃないんだよ?」
「うん…ちょ、髪、ゴムとらないで」
「…ほらあ、信じてない」
「だって、こんなことしながらそんなこと言われても、ほどかないでってば」
「こっちのが好き。ねえ、好きだからするんじゃん、なんで?ねえなんでわかんないの?」
「ちょ、ねえ、だめだってば、テキスト…」
「後で。いつもちゃんとしてるでしょ…ね…」
この、ジェジュンが私に向ける強い興味。
それが衝動じゃないなんてどうやって信じればいいんだろう。
本当に好きなら、一緒に居られる未来に手を伸ばすものじゃないのか。
それを後回しにして、ただ触れたがるジェジュンを、私はやっぱり理解できない。