ころがる林檎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おいなまえ!」
「…いたっ…」
「ほら!携帯!」
「いたいっ…ユチョン…」
「ジェジュン先輩だよ!ほら!!」
「………」
「お前なあ!けっきょく僕の友達食いまくったくせに何逃げてんの!?けじめくらい自分でつけろ!」
「うるさい!うるさい!!…うるさい…!!!どうしたらいいか分からなかっただけ!好きだっただけ!ジェジュンのことだって、本気で…!好きだって思ったから…!!それでもチャンミンを忘れなかったのは…私のせいじゃない…っ!」
これだから男は、と罵りたくなるような無神経さでユチョンが私に電話を押し付ける。
電話はジェジュンに繋がっている。
そんなことはもうどうでも良かった。
チャンミンを傷つけてしまったと分かった今、誰を傷つけたって、私はもうなんとも思わない。
傷つけて、傷つけて、それでも懲りずにチャンミンだけしか見えない身勝手な自分など、罪を重ね続けて誰より大きな報復を受ければいい。
「…ジェジュン先輩、すいませんもう、こいつ手に負えません」
『はいはい…なまえ〜っ?』
「うるさい…っ」
『別れよっ?』
「…ぅるさいぃ…っ」
『お前みたいな自分勝手、チャンミンにあげるよ。じゃあねっ?』
虫みたいに背を丸めた私に、呑気なジェジュンの声が別れを告げる。
知ってる。
ジェジュンが語尾を早く切り上げるとき、何かを我慢してるって。
人が傷ついたときの仕草ばかり、たくさん覚えてしまう。
人を傷つけてばかりだからだ。
ユチョンだって、ずっと心配してくれてると分かってる。
ユチョンが自分も一緒に泥をかぶってまで私に何かを強制するのは、いつも私の為になる時だけだ。
弟のくせに。
生意気だ。
恋人のくせに。
優しすぎる。
私は
皆を傷つけた張本人のくせに
まだこんなところで自分の罪に酔って、待ってるだけなんて
ずるすぎる。