ころがる林檎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…僕はあなたを今でも好きです」
そう、チャンミンは私に言った。
だからどうしようとは、お互い口にしなかった。
顔を見ることもできない私を諦め、離れがたそうにこの部屋を後にしたチャンミンの背中を盗み見た。
夏を一回りしたそれは、あの日と違ってやけに広い。
私はやはり引き止めることはできず、見送った。
「…………」
「……なまえ」
「…………」
「お前ら遠慮しろよ。となり僕の部屋だよ」
「…………」
「ねえ、いいのかよ。よくないんだろ。チャンミン止めろよ」
「…………」
「なあ、お前知らないだろ。チャンミンな、めっちゃ我慢してたんだぞ、ずっと前から、お前と付き合ってる時からだぞ」
「…………」
「さっさとやっちゃえばって僕何回も言ったのに…ひどい事したくないって我慢して…あげく捨てられてさあ」
「…………」
「ジェジュン先輩も捨てたんだよな?お前のこと頼むって電話してきたけど。なんなの?これ」
「…………」
「なあ、なんなのって。結局チャンミンもポイ捨て、先輩もポイ捨て、でまたチャンミンと寝てポイ捨て?」
「…………」
「………はー…謝って損したわ」
「…よびすて、すんな」
「お前泣いてんのかよ、あー、…っとーしー…」
とっくに帰ってきていたユチョンが言いたい放題罵った後、女はこれだから、と吐き捨てて帰っていく。
どうしようもない
どうしようもないんだ
私は私が持つものの中で、一番チャンミンに捧げるべきだったものを捨てたのだ。
取り戻せない
取り戻せない
もう 二度と私は