ころがる林檎
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「あのね、おれずーっと考えてたのお」
「ジェジュン、いや」
「昨日もー、一昨日もー」
「ジェジュ」
「ずーっとずーっと、朝も、夜も」
「あっ、やっ」
「知ってたんだあ、…電車、いっつも乗りなおしてたでしょお」
「…っ!」
「どこ行くのかなーって、…どこ行っちゃうのかなって…」
「っごめ」
「いつ言ってくれるかなーって、いいこにして待ってたんだあ」
「っ…っ」
「前の彼氏、家近いよねー。知ってたよ?」
「ジェジュン」
「でもなまえとずっと居たいから、どうしたらいいのかなーっていっぱい考えてさー」
「いや、ごめん、ジェジュン」
「でさー…やっと分かったのー…」
「ジェ」
「どうしようもないんだね」
ぼた。
落ちてきた雫が、あらわにされた素肌に落ちる。
押し付けられていた腕から急に力が失われた。
「……帰っていいよ」
「…っジェジュンっご」
「帰ってっ?」
手のひらで顔を覆い、ジェジュンが首を振る。
抱きしめたかった。
私を救ってくれた人。
だけど私の手はとうとう伸びることは無く。
ごめん
ごめんなさい
それすら、許してというお願いのようで、言えなかった。
声を殺して泣くジェジュンの下を抜け出し服を着る。
さよなら
…その言葉は、泣いてしまいそうで 言えなかった。