ころがる林檎
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夏休みの間
ユチョンは前部長の言いつけどおり、ほぼ毎日のようにチャンミンを家に呼んだ。
共働きであまり親が居つかない我が家に遠慮してか、泊まりはしないものの
足しげく通うチャンミンに母親が持たせたという食事や
我が家の冷蔵庫の中身を適当に広げた夕食は、雑多でにぎやかで合宿所のような様相だった。
私は、その夕食にも数回しか同席せず
夏休みの間中、チャンミンから逃げるように ジェジュンの誘いに乗り続けた。
一日目に分かったのだ。
ふとした時に視界に入るチャンミンに、私は耐えられない。
苦痛だとかそんなことではなく、ただ…耐えることができない。
ワガママで身勝手な自分を、これ以上チャンミンの目の前にさらしてなどいられなかった。
変わらず優しい言葉をかける声も、私が逃げるほど心配してくれる仕草も
何もかもが、申し訳なさを募らせた。
逃げ場にしてしまったジェジュンは会えて嬉しいと毎日笑う。
以前と変わらず触れたいと求めてきたり、帰らないでとゴネたりもする。
なのに8月を30日過ぎた今日まで、私は一度も応じてはいない。
そのせいか、最近のジェジュンは時折私を強く抱きしめる以外に求めているそぶりを見せなくなった。
…私はひどい。
そんなジェジュンの姿に、離れる前のチャンミンを重ねている。
泣いていた私に手を伸ばせなかったチャンミン。
受身でいるだけの私に手を伸ばせなかったチャンミン。
私が今ジェジュンに抱えている申し訳なさは、実のところあの頃のチャンミンに向けたものの投影なのだ。
それでも私は髪を結び、着替えて部屋を出る。
逃げ場に向かって、今日という最後の日も歩き出そうとしている。