ころがる林檎
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「あー、チャンミン試合出すってなって、あいつと僕のギクシャクなんとかしてって言われて」
「……ギクシャク…」
「そ、部長が、あ、前の部長ね」
「チョンくん?」
「そーそー、ジュンスがチョン先輩に相談したらしくて、新しい部長困らすなって怒られて」
チャンミンが帰った後、久しぶりに入ったユチョンの部屋。
入んなよ、とさんざん嫌がったわりに片付いている。
一体何が恥ずかしいのか、最近のユチョンはますます可愛くなくなって、姉としては理解ができない。
同じ二年のジュンスくんや、男子部の部長だったチョンくんをこの部屋に呼んでいたのはそんなに前じゃないはずだ。
一人後輩のチャンミンをみんなでいじり回したり、プロレスみたいな事をして暴れたり…
そういう時の笑顔だけは可愛いと思える子だったのに。
まだまだ新しい記憶のはずが、弟の友人の名前をすら懐かしく感じて、思わず聞いた。
「ジュンスくん部長なの今」
「そーだよ。真面目だからすげえうざいよ」
「あんたなるんじゃなかったの、部長。二年代表で挨拶してたじゃん」
「…僕夜遊び始めたドロップアウト組だからなー。今は試合出られるだけましかもなー」
「ねえ、ギクシャク、してんの?夜遊び始めて友達変わったから?」
「……あのさーお前な」
「なによ」
「考えてみろよな。身内が友達ポイ捨てしてな、ギクシャクしないわけないじゃん」
「…………」
「仲良かった奴と付き合うのやめたら他の友達と遊ぶしかないじゃん」
「……ごめん」
「謝るんならやんなよなーポイ捨てとか。まーもーいいけど」
「してないよ…でも、ごめん」
え、とユチョンが振り返ったけど、構わずユチョンの部屋を出た。
私がユチョンに与えた影響は思っていたよりずっと大きい。
恐らく、チャンミンにも。
反論はできない。
隣のドアを開けて自室に入ると、私はドアを背に座り込んだ。
日に日に罪悪感が膨らんでいく。
みんな、何もかもうまくいってほしいけれど
それには、自分が居てはだめなんじゃないか、とすら思えた。