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「………た、ただいま…でーす…」
結局コンビニではまかないきれず、近くのスーパーまで足を伸ばして帰った30分後。
私の席でふんぞり返って見送ってくださったチャンミン様は、そこには居なかった。
「…………」
そっと足音を潜めて近づいた私の席に居るのは、あどけない顔を組んだ腕に乗せ、うつ伏せに眠るチャンミンだ。
こうしていれば年相応で、まろやかな陰影を施した目元などはきっとお菓子より甘いのに。
「かーわいー…」
呟いてしまった口をふさぎ、私は起こしてしまわないようそっと離れて給湯室に入った。
さあ、チャンミン様がご復活なされる前にご所望のものを作ってしまわないと。
事務所の給湯室程度の設備でたいしたものは作れないが、全力を尽くさないとまたあの目で見られる。
今度は何をされるか…たまったもんじゃないと思うと、レシピを読む集中力も精度がました。
「…えーと…チョコ、100グラム…100グラム?」
はかりが無い。買ってくるべきだったか…と思ったが、買って来た材料の袋に内容量くらい載っている。
逆算でなんとかなるだろう。
材料もチョコなら作るのもチョコだ。問題ない。うん。
「生、クリームー…50…cc…だいたい…こんくらい、か…」
手を汚しながらチョコを刻み、沸いたヤカンが高い声を響かせるのを慌てて止める。
ラム酒なんて無い、とひとりごち、先輩がこっそり置き酒していたブランデーを拝借した。
ここにあるコップや皿、鍋だけで、いったいどこまでできるだろうか。
何より、大雑把な性格から避けて通ってきたお菓子作りに初挑戦、というこの状況。
…でも最善をつくそう。
チャンミン様のために。
なによりも、自分の保身のために。