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もう二度とあんな思いはするまいと、異性に対して慎重になっているのに…
よく知りもしないで飛び込んで、またあんな思いはしたくない。
私は今日、なにをしに来た?
気分転換に寂しさを紛らわせに来たんだ。
新しい恋人を探しに来たわけじゃない。
だからこれは…
吊り橋効果。
吊り橋効果。
繰り返し頭で唱えているその言葉も、しかしじきに意味をなさなくなりそうだった。
ただ、トラウマのようになった恋愛への恐怖心だけが、私の心を引きとめている。
走り出しそうな思いを引き止める暗い恐怖心。
そこにかけられたユチョンの言葉に私は思わず口をつぐんでしまった。
「帰ったらー…なまえ、寂しいんすよね?」
眠気に負けそうなユチョンの唇。
つやめくそれが動くのを、私はポカンと眺めた。
「一回目、会ったソファでも、泣いてるみたいだった、し…」
ソファ?
ソファで?
私が泣いてたのはソファじゃなくて…
二度目にユチョンに会う前の…個室の…
「寂しいって、泣いてるみたい、だった」
「……………」
「……ほら」
「……………」
「今も」
目の前のユチョンが、鏡の中で見た私の顔のようにグチャグチャに歪む。
他のソファから見えないように、ユチョンが私の頭を自分の肩に寄せさせた。
「…眠たいなーって、もう帰ろっかなって思ってあそこ座ったのに」
「……っ……」
「なまえがすごく泣きそう、で、しかもあんなのに囲まれてるから」
「…っふ、……っ」
「…見間違いかなーて思ったんすけど…」
「………〜〜っ……」
「助けて、って、感じした、か…ら…」
なぜ
二度目に会った時、言葉を鋭く感じたのかがようやく分かった。
この人は 私の涙に、私が泣き出すよりも先に気付いていたんだ。
だから、私の気付かないうちに、言葉が私の中まで届いていたんだ。
私はユチョンの胸で泣き出してもやはり声を上げなかったけれど
今度は一人で立って自我を保つためじゃなく、ユチョンのためにそうした。
私を助けてくれたユチョンが、ゆっくりと眠れるように。