signal in the square
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反論する間もなく、カメラを持った手がジェジュンの手のひらで締め上げられた。
ゴツいアクセサリーのせいで見落としていたけど、腕自体も充分ゴツい。
そのまま腕ごと重心を引き寄せられて、動きについてこられないカメラの中の風景がグシャグシャになっていく。
そして映し出した最後の風景は
やけに明るい天井をバックにした、やけに暗いジェジュンの肩の接写。
「どい、て…」
「いーやーぁ…」
ベッドを背に天井を見上げるこの風景は見慣れたものなのに、ジェジュンが間に居るだけでとてつもなく動揺してしまう。
「ちょっと!追い出す!ほんとに追い出すから!」
「逃がしゃないもぉん…」
「ちょぉっとー!!」
ジェジュンが完全に体重をかけ、私の体を腕に閉じ込めた。
固い筋肉が熱い。
肩も、胸も、腕も、感触は表面だけが柔らかく、滑らかで、中は鍛え上げられた筋肉の存在を主張している。
私の顔の横に置かれたジェジュンの髪からはずっと漂っていた香水の匂いを強烈に感じた。
ジェジュンの胸が押し付けられているせいで、自分の鼓動の音がダイレクトに跳ね返ってくる。
「っはは…すっごぉーい、ドキドキ…」
「………〜〜」
顔を枕に伏せたままのジェジュンが呟くので、耳の横からくぐもった声が直接聞こえた。
カメラはもう、いつの間にか手元を離れてどこに行ったかわからない。
「ねー…」
「〜〜なに、もう」
「なんもしなぃからぁ…ここにいて?」
ハスキーな声から、笑みが消えている。
低い、低い、声。
被写体として見ていた背中からもずっと感じていた
道に迷っている子供のような頼りなさが
数十秒後、私の首を頷かせた。
…実際、理由はそれだけじゃなくて
ここまで連れて帰る時には微塵も感じなかった
ジェジュンの重みに対する心地よさがこの時初めて感じられたから
というのは
言えるわけもない事実として、あったけれど。