signal in the square
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「…写真、趣味なの」
「しゅみ…………」
シャッターを切りながら呟く私に、まだ少し不満げな声でジェジュンが応える。
「そう」
「じゃあー…やっぱり友達とか見せたりぃ…」
「誰にも見せられない程度のもんしか撮れないから、趣味なの」
不規則なシャッターの音で会話のテンポがくるくると変わる。
ジェジュンの反応もそのたび鈍くなったり鋭くなったりした。
ほとんど惰性でジェジュンと会話しながら 私はシャッターを切り続ける。
「…………」
「だからほんと、誰にも見せたことないし、見せないよ」
「……でもぉ、はだか、いやー…」
「裸ったって背中でしょうが…」
「だって、こういうの、しぇなか、してる人ぉ…ほっか誰もいないじゃぁん…」
「タトゥーのこと?」
「っそー…」
「だから撮ってるんじゃん」
「……でもぉ…」
「ジェジュンの背中にしかこんなに綺麗に描けないでしょ…」
「……………」
「だから他に誰も居なくて…」
「………」
「だから綺麗なんでしょ」
「………」
「だから撮ってるんだけど」
「…………」
会話の間もずっと鳴り続けていたシャッターの音が止まる。
ジェジュンがまた、こちらを向いたからだ。
「…前…」
「…いや」
「いやじゃない、前」
「やだぁ」
またか、と辟易する私を無視して、急にジェジュンが立ち上がる。
全身でこちらを向いたジェジュンの正面は、背中にも増して繊細な陰影に彩られ、ジーンズの中へと伸びていく腰骨からのラインなどは カメラを持つ手を充分に刺激する造形だった。
でも
それも
こんなに
「…こんなに近くに来られたら、撮れないん、ですけど…」
「も、撮らないのぉ」