chocolate and a cake
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うまい。
ほんとに遊びなれてる。
もういいや。
このままどん底まで転がり落ちよう。
混雑も喧騒も背中を押して、さらには壁際の空気はどうしてか孤独感を強めるから
おれの唇は半開きのまま、目の前の誰かの耳元へと難なく近づいていった。
もう、今は、なまえ
君が止めたって
転がり落ちるのをやめられそうに
「…わっなん、か…鳴ってるよ…」
女の子の目の前、おれの胸のポケットで携帯が震えている。
覗いたランプの色は、なまえの着信に設定してる色だ。
…今更。
引き止めるのが遅いよなまえ。
諦めと憐れみしか湧いてこないまま、彼女がどんな懇願をしてきたかを見るためだけに、携帯を開く。
『ごめん』?『ザンギョウ』?それとも『会えなくなった』?
不満なんてもう通り過ぎた、他人事のような感覚でメールの中身を予想した。
強い光と暗がりで構成された俺と女の子との間に、ぼんやりとした、柔らかい光。
眩しさに目を細めた先の、文字。
『100日記念』
おれの予想と裏腹のアラームは、幸せなおれとなまえの笑顔を焼き付けた画面と共に、目の前の暗がりを明るくした。
「……………あ……」
「…?なに、え、なに?ちょっと、どこ行…」
「あー、…むりっ、もー…むりだ、ごめん…」
やっぱり
やっぱり、
なまえじゃないと
イヤだよ。なまえ。