H E R O
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あの日以来なぜ、彼に連絡が取れないかというと
「助けてください」
なんて放心気味に呟いたあと、気付いたからだ。
芸能人には、パパラッチがついてる。
…だから、これ以上目立つ行動をさせちゃいけない
って……。
・・・・・・・
H E R O
・・・・・・・
そんなわけで、助けてください、の直後
「あ!嘘です!嘘つきました!寝ます!!おやすみなさい」
なんて慌てて電話を切ってから1週間、私は携帯に残された彼の番号や履歴は一切見ないようにしている。
通勤退勤の道も周りに彼が居ないか、バッティングしやしないかと注意しながら歩いている。
幸い、今日まで一度も彼を見かけていない。
今まで会ったことが無かったのだし当たり前ともいえるが。
でも、それでいいんだ。もう関わりあっちゃいけない。
あの晩の出来事だって
『東 方 神 起 の ヒ ー ロ ー 、 本 物 の ヒ ー ロ ー に』
なんて記事にでもなってしまったらおおごとだ。
町のヒーローみたいな書かれ方ならいいだろうけど、パパラッチはスキャンダルを書きたてたがるはず(偏見)だから、そんな風にはまとまるわけがない。
『お相手の女性を連れて自宅のあるマンションに消えて行った』
と絶対に書かれるだろう。隠し撮り写真付きで。
それは彼にとって絶対によくない。
…でももしかしたら、もう載ってしまってたりするんだろうか。
普通、こうした記事ってどのぐらいで雑誌に載るんだろう。
一番近いコンビニの雑誌の棚を注意深く見ているが、この一週間、趣が変わった様子は無い。
女性誌はだいたい週刊誌なのだから、スクープは次の号に間に合わせるのだろう。
あれから1週間。
…もしかして、今日あたり並んでいるんじゃあ…
私は慌てて財布とダウンを手にとる。
せっかく着替えた部屋着からまた外出着に、なんて着替える間も惜しくて、真夜中に飛び出した。
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