When become a hero, now
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よく見かける子達だから油断してた。
いまさら絡まれることも無いと思ってたのに…
「こんばんは〜」
「………」
「無視とか!」
「相手してくださいよ〜」
しっかり、三方から囲い込まれてしまった。
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When become a hero, now
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「家近いんでしょ」
「お姉さんよく通るもんねー」
「今日遅かったから心配してたんすよおれらー」
突然せきを切った ゲラゲラ、という笑い声にビクついてしまった自分が情けない。
いつもは彼らをそこまで怖がったりしないのに、こうなってみるととんでもなく恐怖だ。
どうやって逃げ出せるだろう。
三方を彼らに囲まれ、残る一方は壁に塞がれている。
とりあえずカバンを奪われないようしっかり掴んで抱え込んだ。
でもそうなると携帯を取り出せなくて、警察を呼ぶというのが意外に難しい手段だとわかった。
誰か助けにきてほしい。
そんな都合のいい手段はめったにないとわかっているけど、そう願わずにいられない。
なにせ
怖くて声も出ない。
うつむいた視界に見える小汚いスニーカー。
そこから伸びて格子のように私を囲う6本の足。
閉じ込められてるのだと自分の置かれた状況をつきつけられて、私はさらにうつむいた。
どうやって逃げたらいいんだろう、大声なんて出せそうもない。
都会で助けを呼ぶ時は、助けて、ではなく火事だ、と叫べと誰かが言っていたけれど、それ以前に声も出ない場合はどうすれば。
それにひきかえ、上からかけられる饒舌な声は下品に笑い続けていて、とてつもなく勝手な言い分で私を頷かせようとしている。
「女性のね?一人歩きとか危ないじゃないっすかあー、お姉さんいっつも一人でここ通るしー」
「そーそー俺ら送ってあげた方がいいんじゃないかなーっつって」
「っはっは、まじテキトーな!お前ら!」
「いやいやまじだから。俺まじで送ろうと思ってるから。ね、お姉さん。行こう、お姉さんち」
真ん中の男が笑いながら腕を掴んだ。
それでも勢いよく空気を吸ってしまった音以外、声や言葉は出ない。
「……………」
「待ってお姉さんめっちゃ震えてんだけど」
「あ、ほんとだすげ…」
「寒いの?移動しちゃう?もう、あったかいとこ行っちゃう?」
「ははははお前オニか!」
ああ
お願い、誰か
すがる先を求めた私の視線が動揺で泳いでいく先、格子になった足の向こう。
左から右へ
全く無関係に動く足が見えた。
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