lovable first
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「ゆーちょ…ちょ、重い」
「なまえより軽いよ」
「ひど!」
私の背中に体重をかけてきたユチョンの声はなぜだか不機嫌そうだ。
言う事が急に意地悪くなる。
たまにこういう事があるけれど、意地が悪くなるきっかけはよく分からない。
「どーいーてー」
「なんで?」
聞き方が間髪入れずで、しかもそっけない。
声がツン、としている。
「カバン落ちる」
「手ー離しなよ」
「もー意味わかんないし…どいてって」
掴んだまま机に乗っているカバンが、ユチョンが体重をかけるごと前に折れ曲がる私に合わせて 机のギリギリまでずれ込んできた。
私は緊張で手の力を緩めたりできないのに、それを知られたくないから声をつっけんどんに変えた。
早く、とこちらも不機嫌に返す。
「…意味わかんないとか」
「早くって」
「そろそろ意味わかってよ」
急に前に腕を回されて、体重だけで縛られていたはずの体がユチョンの腕の中に納まる。
机に伸ばしていた腕も一緒に持っていかれて、カバンがドサ、と床に落ちた。
首の後ろから肩に乗せられた柔らかな髪が近すぎて、私は苦しさの出所を見失う。
耳のあたりをくすぐるユチョンの髪から、いつも薄く漂っている香水の匂いを強烈に感じた。
「は、意味、わかんな、」
「嘘つき」
ユチョンの声が低い。
憎しみすらこもってるんじゃないかという冷たい響きに、甘い痺れが背筋をなぞっていく。
私、何を期待してるんだろう。
こんなに体がすくむのに、この見たことがないユチョンに対して何を。
「なんで俺のになんないの?」
「っ…意味わかん、ないって」
支配欲にまみれたユチョンの声に私の声が上ずった。
抱かれた体が解放されて、私は目の前がまだ明るい事を知る。
夜かのように暗かったのは目を閉じていたせいだ。
ユチョンはふう、と後ろでため息をついている。