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「もー、ワガママ言わないで普通に入りなさいっ」
通りがかったジュンスの部屋からジェジュンの声が聞こえる。
そういえばなにかジェジュンが怒りにきたんだっけ。
大丈夫かな。
部屋を覗こうとドアに近づく。
「わっかりましたよーぅ!ケチなんですねー!」
声と共に、急に中からドアが開いた。
びっくりして身を引いたけど、開けたジュンスの方が私にびっくりしたようで。
「ぅわっあっあー!」
手に持っていた2つのグラスの中身だけ、上手に私に浴びせかけた。
顔にかかったのを舐めて、ジュースをかけられたのだと知る。
「あー…ご、ごめんなさいなまえ…だいじょうぶ?」
いいのよ、と答えたいけれど、こんなに派手にかけられたらそうも言えない。
「なにぃ、どうし、あー……ジュンスぅー…」
「ご、ごめんなさいジェジュン…」
「もー、…はあ、片付けといてあげるから、お風呂いってきて!なまえ、おいで?」
「あっ!なまえは僕が拭いてあげますからぁ!いいですよぅ!」
ジェジュンの方を向いたまま、さっとジュンスに抱き上げられる。
文句がありそうな視線をジェジュンが向けたのが見えたけれど、ジュンスが急いでその場を離れたのですぐに見えなくなった。
他のみんなと違って、ジュンスの時だけはいつも抱き上げられるのがなんだか怖くて、びっくりして胸にしがみついてしまう。
「もー。なまえはそんなに僕のことが好きなんですねー?」
ばかね、と言ったのにジュンスは嬉しそうに笑った。
私の言うこと、いっつもあんまり理解してない。
一つ角を曲がって脱衣所に着くと、私を下ろすなり、ジュンスが扉も閉めないままで豪快に服を脱ぎ始める。
私はびっくりして、子供じゃないんだから、と言い募るけれど、お構いなしにどんどん脱ぐので背を向けたままタオルを探して首を捻った。
見える位置にはあるけれど…とうてい届きそうにないところにしまわれている。
どうしよう、と呟いたところで急に体が浮く。
え、と回された腕に条件反射でしがみつくと、ジュンスが「痛い」と笑った。
むき出しのジュンスの腕。
背中には、ひた、とした筋肉の感触。
洗濯機の上に腰掛けさせられ、首元のアクセサリから順に生まれたままの姿へ変えられていく。
まさかのジュンスの行動に私は目を白黒させた。
裸のジュンスに抱えられたまま、私は自分の上げた声が過剰に響くバスルームへと連れ込まれてしまう。
「…なまえ?こっちきて?」
タオルを腰に巻いてくれてるとはいえ、行けるわけがないという私の無言の訴えを無視してジュンスは浴槽のお湯の温度を確かめている。
「きてくれないとぉ、洗えない…」
悲しそうに呟く声が浴室に響くので、残響が消えるとより一層悲しげに聞こえる。
私は負けまいと首を横に振った。
「…ワガママ言ったらだめっ」
泣き落としに効果がないと知るとジュンスが無理やり私を自分の膝の上に引っ張りこむ。
また背中にジュンスの鍛えられた胸が当たって、気が気じゃない。
慌てて逃げようと、私に触れる腕に爪を立ててしまった。
「ぁいたっ…!」
ジュンスの声が、わん、と浴室に響くのと同じくして、腕にまっすぐ赤い跡ができあがった。
爪を強く引きすぎたのだ。
ごめん、と見上げるとジュンスは笑っている。
「心配しなくていいですよーぅ…でも、おとなしくして?」
無理してる顔だ。湿気が染みて痛いだろうに…そんなことは言わずに優しく私の頭を撫でた。
「ほらあ、べったべたですよぅ…ね?」
私はうなずいて、ジュンスに身を任せる。
血までは出てないにしても、申し訳ないことをしたとうなだれていた。
「あーあ…ごめんね?なまえ…きれいにしますからぁ…」
謝るのは私のほうなのに、ゆっくり、丁寧に私の顔を洗ってくれるジュンスの手。
たどたどしいその手つきが無性に愛しく思えた。
顔から首、体に至るまでをずっと優しく手で流してくれる。
見上げるとジュンスの顔は真剣だったので、恥ずかしさは少しずつ消えていった。
洗ってくれる腕に体をすり寄せ、綺麗になるよう補助する。
「ふふ、なまえは素直だなー…」
腕に怪我までして何を言ってるのかしら、と笑いがこみ上げた。
あなたのほうでしょ、と言ってやる。
けれどやっぱりジュンスは私の言葉をうまく理解してなくて、「いい子ですねー」と笑った。
目の前に来た腕に赤い筋。
私はなんとも言い難い申し訳なさが伝わらないかと思案して、結局そこに舌を這わせた。
「ぅわっくすぐったい!」
驚いたジュンスが腕を引く。
私と目が合うと、少しの間合わせてから笑った。
「痛くないから、だいじょうぶですよぅ」
言葉じゃない方が通じるのね。
私は嬉しくなって腕にも、肩にも、とにかく届くところにキスをした。
ありがとう、と思っているのがジュンスに正確に伝わって欲しかった。
「ぅわ゛ーっははあん!」
ジュンスの笑い声が浴室を満たす。
「くすぐたい!くすぐたい゛!!」
興奮するとすぐ発音が甘くなるジュンスの声に私も笑いがこみあげる。
ジュンスが、こらっと言葉だけで叱って、私の顔を両手に包んだ。
ちゅっと音を立てて口付けられる。
「そんなに僕が好きですかぁっ」
ウフフ、と笑った。
やっぱりそんなふうに勘違いするところも可愛いと思う。
「うぅ、寒いっなまえ、お湯入ろ…」
自分はお湯にかかっていなかったのに今更気付いたのか、ジュンスが私を連れて浴槽に入った。
確かにジュンスの体は冷えている。
私はずっと洗ってもらってたし、今に至るまでずっとジュンスに抱かれているから全く冷えてなくて…
比較的ぬるめのお湯でも、正直 暑い。
浴槽でジュンスに抱かれているのは心地よいのだけれど、それも数分の話。
すぐに耐えられなくなって私は浴槽を飛び出した。
滴る水滴が邪魔で、顔を振った。
「あっなまえ?上がりますかっ?」
ジュンスが浴槽から手を伸ばす。
連れ戻されてはかなわないとその手から逃げ、もう上がるから、と振り返るとジュンスも浴槽から立ち上がった。
当然のように、どうぞ、と浴室のドアを開けてくれる。
やっと抜け出した脱衣所の涼しい空気に、私はほお、と息をついた。
「…はい、なまえ、タオル…拭いてあげますよーぅ…」
今日のジュンスはずいぶんと優しい。
いつもならなんだか無造作に触れてくるので、何をされても痛いと思うのに。
手つきは変わらずたどたどしいけれど今日は触れ方が丁寧だ。
抵抗せずにされるがままでいると、ジュンスが髪から水を滴らせ、呟いた。
「今日は…一緒に寝たいなあ」
おねだりする子供のような声。
私はうなずいてあげたい、と思うけれど、タオルを奪ってジュンスから離れた。
「あっ……」
ありがとう。冷えるから、浴室に戻って。
それだけ言い残して、開け放してあった脱衣所のドアをくぐった。