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「さって、なまえ?」
リビングに出ようと後ろを通り過ぎた私の体を、ユチョンが急に抱え上げた。
びっくりして足をバタつかせる。
構わず私を胸に抱いたまま、ユチョンはリビングへと歩き出し、ソファに座った。
「昨日の夜はどこに居たのかな?」
ソファに腰掛けて組んだユチョンの足の上で抱かれて、私がユチョンに抱きついているかのようになっている。
背中を撫でる手が優しい。
けれどその質問はさっきのジェジュンと同じ、暗い瞳をして聞くものだった。
怖くて答えられない。
知らないでいてほしい、と思う。
「最近、ちーっとも俺の部屋に来ないね」
ユチョンの触れ方は優しいけれど、チャンミンとは違う。
安心感なんてかけらも無い。
どうしてこんなに不安を煽るのか、どうしてそれがこんなに癖になるのか。
「前は俺の部屋で寝てたのに…なんで?」
私の耳に口付ける。
びく、と跳ねる体を少し強めに抱かれた。
抜け出したい、と思う気持ちもあるのに、ユチョンの手に委ねてしまいたい気持ちも膨らんでいる。
そうして曖昧な態度でいると、すぐに唇を奪われた。
このままじゃ、またすぐ骨抜きにされてしまう。
わかってるのに、ユチョンがその指で体に触れるたび、喉を撫でるようにして声を上げてしまう。
「…ねえ、今夜は俺の部屋で寝てね?」
呪文のよう。
うなずかなければいけない気になる。
ユチョンの膝の上から早く逃げなきゃ、きっとうなずいてしまう。
私は頭をもたげ乗せていたユチョンの肩にとがった歯を立てた。
でも力が入らなくて、甘噛みにしかならない。
「わ、くすぐったあ…なまえ…?」
急にあてがわれた歯に、それでも驚きはしてくれたようで体を撫でていた手が止まった。
けれど肩の上の私の顔を見るや、ユチョンは恐ろしいほど浅い笑みを浮かべる。
「なまえ…気持ちよくってしょーがないって顔してる…」
ゆっくり頭を撫でて、私の口に指を押し入れ、とがった歯に柔らかな指の腹で触れた。
やめて、と呟いてもさっきよりもっとみっともない声になるだけ。
私が武器にできる数少ないものさえこうして弄ばれて、だからこの人は嫌いなの。
骨抜きにして、私をダメにするから。
そして勝ち誇ったように綺麗な顔で笑うから。
だから嫌いよ。
精一杯、指を噛む。
ゆっくりゆっくり力を込めていって、ようやくユチョンが痛いと声を上げた。
指を引っこ抜かれたと同時に零れ落ちるようにしてユチョンの膝から離れる。
そのまま立ち上がってソファから離れた。
リビングから出て行く時、ユチョンが後ろから呼ぶのが聞こえる。
「なまえっ?……待ってるから、またおいでね?」
呪文は、もうたくさん。