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リビングに行くと、私のぶんだけ食事が用意されていた。
「あ、おはようなまえ」
みんなもう食べちゃったよ、早く食べて、とジェジュンが笑う。
ジェジュンの声に促されるまま食事に口をつけた。
その姿を、正面でじっと、ジェジュンが見ている。
「おいしい?」
ジェジュンが語りかける声にゾクゾクする。
チャンミンには無い感覚。
食べる、という行為を見られているのが無性に恥ずかしくなる瞬間。
やめて、見ないで、と言い募るけど、彼はやめてはくれない。
蟲惑的な両の瞳で、ただ、じっと私の食事を見つめる。
見ないでほしい。神経がピリピリする。
ついさっきまでチャンミンの手によって柔らかくほどかれていた体が、ジェジュンの視線で少しずつ少しずつ強張っていく。
「なまえ?…昨日の夜からどこにいたの?」
ジェジュンの言葉で口を開くのが止まる。
見上げると、とても優しく美しい顔の中、朝の光を閉じ込め暗く光らせる 瞳。
その瞳の奥で何かがゆらゆら揺れているようにも見える。
なんだか怖くて、じっと見つめたまま固まってしまった。
「…ふ、止まってるよ、ほら食べて」
恐怖に気付いたのか、視線を外してジェジュンが笑った。
「怖がらせたいわけじゃないんだけどなー…」
私は早くここを立ち去ろうと急いで食事を進める。
この人の声は私を虜にする。
いつだって、どこに居たって私を呼ぶ声には抗えないけれど
いつも思う。
その瞳が怖い。
ジェジュンが私を求めているのがありありと分かる、暗い瞳。
「そんなに急いだらむせるよ?ああ、ほら、水も飲んで…」
言われるとおり、少しむせてしまって、与えられた水に口をつけた。
すごい勢いで水を流し込む私の姿にジェジュンが笑った。
「…可愛いなあ〜もう」
優しい声。
たまに、ジェジュンが分からなくなる。
さっきみたいな暗い瞳と、こんなふうに愛しげに見つめてくる瞳と。
どっちが本当なんだろう。
ごちそうさま
そう告げてお皿を返そうとするとジェジュンがさっと皿を引いてくれた。
「おそまつさま」
にっこり笑って片付けまでしてくれる。
甘やかされてるのは分かる。
そういうとこはチャンミンと同じ、優しい。
だから私は、食事の後いつもキッチンまで付いていってしまう。
怖いと思っている事が申し訳なくて、後ろからジェジュンに擦り寄る。
気に入らないわけじゃないの。
いつも感謝しているの。
だけど…求められるのが怖いの。
そう、一生懸命に訴えかけるけれど、彼は皿を洗いながら振り返って笑う。
「聞こえないよ、なに?」
わざとでしょう。
私はうなだれる。
ジェジュンが急に振り返って、擦り寄っていた私の体に足を絡めた。
軽々と体を抱え上げられ、口付けをされる。
「…しっかたないなーあ…今日のところはキッチンに来てくれただけで我慢するっかー」
暗い瞳の色を薄くして、ジェジュンが笑った。
濡れた手が顔に冷たくて、顔を振って水滴を払う私の顔を追い、何度も口付ける。
よかった。今度は怖くない。
ジェジュンの口付けを振り払って、くすぐったい、と笑うと、嬉しそうに抱きしめられた。
「あー、イチャイチャしてるー」
びっくりして振り返る。
ユチョンが冷蔵庫を開けながら、興味無さげにそこに居た。
ジェジュンが私を下ろしてユチョンに笑いかける。
「なに?おやつ?だめだよ?」
「ちがうよー…おれもダメだって言ったんだけど…ジュンスがお風呂に柚子浮かべて入るとかなんとか…」
「はあ?こんな朝っぱらからお風呂?しかも柚子って…それ料理用に買ったんだよ?」
「じゃあジェジュン言ってきてよ…」
「もーう、ほら柚子しまって!ジュンス〜?ジュンス〜!」
あっという間だった。
ジェジュンは手を拭きながらユチョンの横を通り過ぎ、私をキッチンに置き去りにして出て行った。
ほんとうに、あっという間だった。
ユチョンが私の体を奪い去ったのは。