スキャンダラス
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少し瞼を伏せた 冷ややかな目。
優しく開く口の中の 密やかな赤。
罠にも似たユチョンの姿を見ていられず、顔だけそらした私に、彼もまた顔だけで近づいた。
「なまえ…」
晒したままの耳元に寄せてすら聞こえない程、小さく低く呼ばれた名前。
それに含まれた熱い息が私の耳朶まで熱くする。
崩れ落ちそうになりながら必死で壁に張り付く私の耳の後ろに、柔らかな感触。
「っい、や…っユチョンっ」
「しー…っ黙って…」
肌を伝う、さっきと同じ低い声に抵抗も甘くほどけていく。
耐えられない。
言葉だけで何度もユチョンを制した。
「やめて、そんなにしたら跡、…っ」
「こんなとこ誰か見るの?」
耳の後ろ
首との境目に触れている柔らかな唇が、強く肌を吸い上げた。
「誰が、見るの?」
ユチョンに乱される動悸の激しさで途切れ途切れになりながら 脳裏に浮かんだ恋人の名前を口にしようと息を吐く。
「はっ…」
「見せないで」
最初の一文字すら出ぬ間に、ユチョンの言葉でその名前は封じられた。
さっきまでより一層優しく貪る柔らかな唇。
脳裏に浮かんでいた顔が、どんどん白い光に薄れていく。
「なまえ…好きって言って」
「…ふ、…っ…」
「はやく…」
このまま、求められればユチョン以外なにもかも忘れてしまいそうで 私は
薄情で
奔放で
不貞な自分を戒めながら
その意識に反した腕が彼の首に回るのを
目の前に広がる、恐ろしいほど綺麗な笑み越し 見送る。
「 好 き… 」
ユチョンの顔が綺麗に歪む。
動悸を乱された私の脳裏は真っ白に染まり上がって
ここからはただ ユチョンの望むまま
なにもかもをあけわたすしかないのだと
終わりがけの正常な意識で 思った。
BAD END
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