I spill milk
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AM 11:30
45分くらいに着くと思う~とメールをしてきたなまえが、オートロックのチャイムを鳴らした。
油断していた俺を置き去りに、ユノが呼び出しに応じる。
「はい?」
「あ、なまえです~」
「あーなまえちゃん、おはよう。開けるね~」
後ろから俺が「もう降りるから」と駆けつけたが、ロックを開けられてしまった。
「ユチョン、なまえちゃんだよ」
「うん…知ってる、ありがと…」
5分前には降りて、先に待とうと思っていたのに。
…どうしよう。
ユノをまだ誘っていない。
いやだってどう考えても邪魔だから。
でもこれはバレるとまずいな…。
忘れてた、で通じるだろうか。
悩む俺の後ろのドアが開く。
そこから今まで寝ていたらしいジェジュンがリビングに出てきた。
「あー…おはよー…」
「おはよー」
「おは…」
「…げほ」
ユノが挨拶を返そうとするとジェジュンが軽く咳き込んだ。
かと思うと派手にクシャミをする。
もしや?
もしや?
怒られるかもしれないが、俺はちょっと喜んだ。
「ジェジュン…カゼ?」
「うー…わからーん…」
俺の問いかけに答える声がいつもよりしゃがれて聞こえる。
ユノが当然のようにジェジュンの額に触れて、熱を確かめる。
「熱あるんじゃないか?」
「わからーん…」
力なく答えるので、ユノが無理やりジェジュンを引っ張って部屋に戻っていく。
もしや、は当たっていたようだ。
恐らくこれで、ユノは今日一日ジェジュンから離れようとしないだろう。
なにせチャンミンも出かけてここに居ない今、この家には誰も居なくなるのだから。
ジュンスも朝から出かけてはいるのだが、彼に関してはまあ、居たところで…という話だ。
とりあえずマネージャーさんが常備してくれている救急箱を取り、部屋の中のユノに渡すと 今度は直接部屋のチャイムが鳴った。
今度こそ俺がなまえを迎えよう。
そしてそのまま軽く説明して出ればいい。
すぐ出られるよう携帯と財布を持って、玄関のノブに手をかけた。
「いらっしゃっ…っとお」
少し開けたところでドアを外側に引っ張られる。
「ユチョンなにやってるんですかあ~、なまえちゃんですよ~。はい、入って?」
「あ、お邪魔します~…」
体勢を崩しそうな俺をジュンスが中へ押しやって、靴を脱ぐとさっさと奥へ入っていく。
続いてなまえが遠慮しながら玄関に入った。
「ごめんね、早く着きすぎちゃって」
「あ、いいよ、大丈夫、あー実は…」
「ユチョンユチョン~!!」
靴を脱がずに笑いかけるなまえに、ユノが行けなくなった事を伝えようと言葉を探す。
しかしジュンスが甲高い声でギャーギャー駆けつけてきたので、何、と振り返ると目の前に救急箱。
「ジェジュン熱あるじゃないんですかあ~!」
「知ってるよ、何?」
「ジェジュンの薬ないじゃないんですかあ~!!」
見ると、カゼ薬が入っていない。
嫌な予感。
「あー、ユチョン…あ、なまえちゃんいらっしゃい」
ユノが玄関に来て、ジュンスの向こうからなまえに手を振る。
なまえははにかんだように笑って小さく手を上げてから、ジェジュン大丈夫?と聞いた。
それを聞くときにはもう、本当にジェジュンを心配する表情だった。
ここで半分、俺は諦めモードになる。
「ご飯と薬で大丈夫だと、思うんだけど…どっちもない」
ユノがなまえに苦笑いを見せてから俺を見る。
ここで俺はほとんど諦めた。
と同時に、なまえが俺の服の裾をつまんで「買ってこよ」と誘う。
うまいなあ。
何一つ俺の思い通りには行ってないのに、なまえのそんな仕草だけで俺は機嫌を直して「行く」と答えてしまうじゃないか。
結局この後
誰も料理ができないとジュンスが主張したために
なまえにジェジュンの食事を世話してもらう約束までとりつけた。
もちろん、ランチの約束は同時に無くなった。