その男、煉獄杏寿郎【上】
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┈┈┈┈┈┈┈┈揺れる馬車の中、楓は頭の中を整理しようと考え込んでいた。
「楓は口に出して話すのは苦手か!」
煉獄の言葉に驚かなかった。それどころではない様子だ。
楓「あの…煉獄様……。」
「杏寿郎だ!俺は君にそう呼ばれたい!」
楓「…はい。杏寿郎さん…。」
「なんだ!呼んだか!」
ただ名前を呼んだのに、煉獄は嬉しそうに答える。
楓は思い出したように、説明を求めた。
楓「れん…杏寿郎さん!どういう事ですか?」
「何がだ!」
楓「しのぶさんに嫁ぐと言われました。」
「胡蝶をしのぶさんと呼ぶ仲になったのか!良いことだ!」
楓「杏寿郎さん!!」
「はっきりと名を呼んでくれたな!」
楓「からかわないで下さい!」
煉獄は大きく笑い、
「すまなかった!楓が可愛くてついな!」
楓はふぅ…。と、観念したかのような、半ば諦めにため息をついた。
楓「杏寿郎さんは私でいいのですか…?」
勢いに任せず、冷静に訊ねる。
不思議と煉獄の勢いも落ち着く。
「楓には辛いだろうが…許してくれ。」
珍しく、言葉を選び慎重に告げる。
「あの日、俺が間に合わず楓の家族を救えなかった。」
「しかし…楓の顔をちゃんと見た時に
俺は間違った激励をしたと…」
だんだんと煉獄の言葉が詰まっていく。
その姿があまりにも切なく、言葉を遮った。
楓「杏寿郎さん、私はもう大丈夫ですよ。家族を失った悲しみは消えていませんが、あなたに出逢えました。」
楓「杏寿郎さんが来てくれたから、私は生きています。家族の分まで、しっかりと生きなくては!」
煉獄が向く。その瞳には迷いのひとつも感じられない。強く熱い眼差し。
「楓こそ、強き人だな。俺は今以上に強くなる。誰1人死なせない。」
「俺は柱になる!その時に俺と
煉獄の言ったことは、強く持つ信念。心からの本心。
戸惑いこそあったものの楓は、煉獄を受け入れる。
しっかりと煉獄の瞳を見つめ、
楓「はい。」
求婚の返事はそれだけ。楓にとって、精一杯の返事。
見つめ合う二人は、気恥しさもあるのか。
二人して顔を赤くし、くすりと笑い合う。
車室には、とても幸せな時間が流れていた。
しかし続けて、
楓「杏寿郎さん、〝柱〟とはなんでしょうか?」
楓「しのぶさんの仰っていた、〝炎柱様〟と関係があるのですか?」
煉獄は大きく目を見開いた。
蝶屋敷から楓を連れ出したのは、離したくなく、後先考えずの行動。
〝炎柱様〟その言葉を聞いた杏寿郎の頭の中に浮かぶは、父、槇寿郎の顔だった。
「認めて貰うまで、説得し続ける!父上もいずれ認めてくれるだろう!」
楓は、鬼殺隊の事について知らない事が多すぎる。
煉獄にとって鬼殺隊は日常そのもの。子供の頃から傍にあったもの。〝知らない〟と言う概念を失念しているのだろう。
しかし楓も、煉獄の言動には慣れてきている。心の中で、胡蝶に手紙を書こうと決心した。
