レウィシアとルーチェ
ルーチェ……小さくて可愛いあなたが好き。
愛おしいあなたを見ていると、ずっと抱きしめていたくなる。
私は、あなたを守りたい。
レウィシアはルーチェを胸に抱き寄せる。まるで赤子のように胸の中で瞳を閉じるルーチェの表情を見て母性本能が刺激されたレウィシアは、そっと包み込むように抱きしめる。
ああ、可愛い……
なんてやわらかい体なの……
この抱き心地がたまらない。ずっと抱きしめていたい。
すごく可愛いこの表情。愛しさに満ちた小さな体。
抱きしめてずっと離さない。私がたくさん包んであげたい。
私の温もりで暖めてあげたい。
ルーチェをここまで愛おしく思えたのは、小さな弟ネモアを亡くした影響もあるのかもしれない。私の中に備わっていた母性は、幼い子供を可愛いと思える感情だけでなく、ずっと抱きしめていたいくらい守りたい感情まで湧いてくる。
母親になるというのは、こんな感覚なのだろうか。
私の胸の中で、すやすやと眠る小さな命。
私の温もりを沢山感じているのかな。私の匂いで安らぎを感じているのかな。
こんなに可愛くて大好きな子を抱きしめているだけでも、すごく幸せ。だから、このままずっと抱きしめさせて。
このまま抱きしめながら、あなたと眠りたい――
「……お姉……ちゃん……だい……すき……」
ルーチェの寝言を聞きながらも、レウィシアはルーチェを抱きしめながら深い眠りに就く。優しい匂いと温もりに満ちたレウィシアの胸の中で眠るルーチェの表情は、まるで幸せそうにしていた。
小さな聖職者の少年を愛おしい気持ちで包み込むように抱きしめている可憐な姫の姿は、まるで愛と母性の女神そのものであった。
姫の愛と母性に満ちた永遠の温もり――それは少年を癒し、かけがえのない安らぎを与えていた。
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