明星、君を掬う

【辰馬と銀時を軸に描く過去編からの読み切り短編の連作】

 これは、淡い恋が始まるまでの物語であり、
 大切な想いを失った後の物語であり、
 再び明日を分かち合う物語。

 七十二候の移ろいとともに、一つの恋が育ち、離れ、
 そして再び二人の人生が交わる。


坂本辰馬と坂田銀時――。
攘夷戦争のさなか、出会った二人。
戦場を共にする中で、少しずつ互いを特別な存在として意識するように。

まだ恋とも呼べない感情。
明日の約束も、生きて帰れるかもあやふやな日々の中。
二人は共に食を分かち、酒を酌み交わし、傷を負えば互いを気遣い、ときにくだらない話をして笑い合って、隣で眠る。

雪の降る朝、桜散る夜、初めて見る花火、水面の月、金木犀の香り――。

季節が巡るたび、二人の距離もまた少しずつ変わり始める。

やがて銀時は、自分の中に芽生えた辰馬への想いを知り、辰馬もまた、友情だけでは説明しきれぬ「銀時と一緒に生きたい」という願いを抱くようになる。

けれど銀時は、自分には帰る場所がないという思いを抱え想いを告げられない。
辰馬には土佐という故郷があり、いずれそこへ帰る未来がある。

「帰る場所」を持つ辰馬と、何も無い自分。

その違いを恐れるほど、銀時は辰馬を遠ざけようとする。
自分のそばにいることで、辰馬の未来を失うのではないか、と。

二人の想いがようやく形になりかけたとき、戦はさらに苛烈に。
辰馬は、あの大きな負傷を負い、銀時のもとに帰ってくる。
そして二人は、離れ離れにーー。

その後の約十年間、銀時と辰馬はそれぞれの場所で生きる。

失ったものを抱えたまま、前へ進む者。
帰る場所を探しながら、遠い宇宙を旅する者。

離れているあいだにも、季節は巡る。

二人が見上げる空には、いつも同じ星があった。

辰馬が銀時を宇宙へ連れ出そうと、見上げた夜の星。
地に落ちた流れ星を、もう一度空へ返そうとした、あの言葉。

星は、離れてしまった二人をつなぐものとして、長い歳月の向こうに残り続ける。

そして十年後。

再び銀時の前に、辰馬が現れる。

かつて互いを救おうとして、互いを遠ざけてしまった二人。
辰馬と銀時は今度こそ自分たちの「帰る場所」を
見つけることができるのか。

「君を掬う」のは、いったい誰なのか。

『明星、君を掬う』

星のように遠く離れた二人が、還るまでの物語。


***


・坂銀が主軸
・七十二候を軸にした長編連作
・1862年から始まり、十年以上の離別と再会まで描く
・物語中、高杉→辰馬の片想い・執着描写を含みます
・攘夷時代から金時呼び有りの設定
・史実を下敷きにした創作、独自設定あり
・いちゃいちゃさせたいので攘夷時代に坂銀同室設定です
・作品順は投稿順ではなく物語内時系列に従う


※一部、全年齢向けではない描写を含む話数があります。詳細は各話のタグをご確認ください

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目次

  • 初天神の約束 NEW

    【坂銀】一作目。
    辰馬と銀時の攘夷時代。最初は坂銀ちょっとイチャつく程度です。

    歳時記の七十二候をベースに二人が過ごした江戸末期の日本の四季や移ろいが感じられるように書いていきます。
    戦友から徐々に惹かれあって、恋人になり、離別してまた再会するそんな過程を書いていく予定。

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  • 鶯はまだ不器用に鳴く NEW

    【坂銀・二作目】1話完結、読み切りです。遊郭で振られた銀時が辰馬に手解きされます。激しい描写はありません。シリーズ【明星、君を掬う】

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