brmyプラス
漠然とした憧れがあったことが懐かしい思い出になって、いつの間にか夢を捨ててただの大人になったな、って思った。
「お待たせ」
「んー」
「ちょお、彼氏の明星くんが来たのにスマホに夢中やん」
「あんたを彼氏にした覚えがない」
「またまた〜、そんなこと言って照れてるんやろ」
「…………」
「ほんまにだるそうな顔せんといて、傷つく」
もー、と言って空いてる片手をするりと絡めとって手を繋ぐ明星に手慣れてんなぁ、とスマホの画面を落とした。
「今日は何処に飲み行く?あ、この前美味い居酒屋教えてもらったんよな、そこ行こか」
「ん」
「そういえばなぁ、この前恋くんが……」
明星の仕事の愚痴を聞きながら歩く。いつもと違う方向に向かっているから、自分の知らない店かな、と辺りを見回した。
ふと、目に入った純白のウェディングドレスが飾られたショーウィンドウに自然と足が止まった。
「どうしたん?」
いきなり立ち止まったことに気づいた明星がこちらを見てから、私の視線の先を追う。
「わあ、綺麗やねぇ」
「……うん。……ねぇ、明星って将来の夢とかあった?」
「唐突すぎん?」
私の突然の問いかけに明星は困惑した顔をする。その顔は何だか年相応の年下の顔で思わず笑ってしまった。
「私はね、あったよ」
「へー……何になりたかったん?」
「人並みの人生送りたかったんだよね」
「どういうことなん?」
更に困惑した顔をする明星。
「子供の頃、考えたことない?大人になるまでから、なった後の間に漠然としたこういう生活送るんだろうなって勝手に出来た未来予想図」
「未来予想図なぁ……」
「でも、結局自分で行動しなきゃならなくて、気づいたらこの歳になったよなぁ」
そう言って、明星を振り仰げば珍妙な顔をしてこちらを見ていた。
どうしたのか、と声をかけようとする前に明星が先に口を開く。
「俺は、〇〇ちゃんがウェディングドレス来ているの見てみたいなぁ」
きっととても綺麗なんやろなぁ、と呟くように言った。
「今、誰が隣にいること想像した?」
「へ?そりゃ、もちろん〇〇ちゃんやけど……」
その言葉を聞いて、今度はこちらが珍妙な顔になる。
「嫌だよ、刺されたくないし」
「ええ?何の心配?」
わざとなのか、天然なのかわからない。明星のことだから天然で言ってるのだろうな、と思って、繋がれている手を引っ張る。
「ほら、飲み行こう」
そう言えば、ヘラりといつも通りの笑みを浮かべてそうやな~、と明星は笑う。
もし、もし、明星が隣にいる未来は幸せなのだろうか、と一瞬想像してやめた。
きっと、私がそれを望んだとしても、明星がその全部を受け取ってくれる気がしなかったから。
今はこの手に繋がれているぬくもりだけを望んでいよう。それが明星の期待外れじゃなければ。そう思った。
「お待たせ」
「んー」
「ちょお、彼氏の明星くんが来たのにスマホに夢中やん」
「あんたを彼氏にした覚えがない」
「またまた〜、そんなこと言って照れてるんやろ」
「…………」
「ほんまにだるそうな顔せんといて、傷つく」
もー、と言って空いてる片手をするりと絡めとって手を繋ぐ明星に手慣れてんなぁ、とスマホの画面を落とした。
「今日は何処に飲み行く?あ、この前美味い居酒屋教えてもらったんよな、そこ行こか」
「ん」
「そういえばなぁ、この前恋くんが……」
明星の仕事の愚痴を聞きながら歩く。いつもと違う方向に向かっているから、自分の知らない店かな、と辺りを見回した。
ふと、目に入った純白のウェディングドレスが飾られたショーウィンドウに自然と足が止まった。
「どうしたん?」
いきなり立ち止まったことに気づいた明星がこちらを見てから、私の視線の先を追う。
「わあ、綺麗やねぇ」
「……うん。……ねぇ、明星って将来の夢とかあった?」
「唐突すぎん?」
私の突然の問いかけに明星は困惑した顔をする。その顔は何だか年相応の年下の顔で思わず笑ってしまった。
「私はね、あったよ」
「へー……何になりたかったん?」
「人並みの人生送りたかったんだよね」
「どういうことなん?」
更に困惑した顔をする明星。
「子供の頃、考えたことない?大人になるまでから、なった後の間に漠然としたこういう生活送るんだろうなって勝手に出来た未来予想図」
「未来予想図なぁ……」
「でも、結局自分で行動しなきゃならなくて、気づいたらこの歳になったよなぁ」
そう言って、明星を振り仰げば珍妙な顔をしてこちらを見ていた。
どうしたのか、と声をかけようとする前に明星が先に口を開く。
「俺は、〇〇ちゃんがウェディングドレス来ているの見てみたいなぁ」
きっととても綺麗なんやろなぁ、と呟くように言った。
「今、誰が隣にいること想像した?」
「へ?そりゃ、もちろん〇〇ちゃんやけど……」
その言葉を聞いて、今度はこちらが珍妙な顔になる。
「嫌だよ、刺されたくないし」
「ええ?何の心配?」
わざとなのか、天然なのかわからない。明星のことだから天然で言ってるのだろうな、と思って、繋がれている手を引っ張る。
「ほら、飲み行こう」
そう言えば、ヘラりといつも通りの笑みを浮かべてそうやな~、と明星は笑う。
もし、もし、明星が隣にいる未来は幸せなのだろうか、と一瞬想像してやめた。
きっと、私がそれを望んだとしても、明星がその全部を受け取ってくれる気がしなかったから。
今はこの手に繋がれているぬくもりだけを望んでいよう。それが明星の期待外れじゃなければ。そう思った。
