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綺麗なものほど手を伸ばしにくい。
「いい加減やめたら?」
「なぁにがぁ〜?」
「酔っ払いになるまで飲むのを」
「はぁ〜?」
aporiaの夜のバー、入口からもカウンターからも遠い隅っこの席で飲んでいると、真央からそんなことを言われた。
「私の生きるための楽しみですぅ〜!」
「さっき恋にウザ絡みしてたのも、アンタの楽しみ方なら悪趣味だね」
「真央にはしないから安心しなぁ〜?恋や明星だからしてるんだよ〜」
「へぇ……?」
ケタケタ笑いながらまた酒を煽る。煙草も吸いたいが今日はあいにく部屋に忘れてきた。そのお陰でいつもの倍は飲んでる気がしなくもない。楽しければいいのだ。
「悪い男に捕まって人生破綻しないようにね」
「わはぁ、何それ面白そ〜!」
「面白くないよ、酔っ払い。いいから水飲みな」
「嫌〜!真央、カクテルもう一杯!」
そう言えば、真央は呆れたため息を吐きながらミカ姉、お冷一つとカウンターに向かって言う。
勝手にお冷を頼まれて、面白くないから足を蹴れば睨まれた。美人の怒る顔はちょっと怖い。でも怒りより心配の方が滲んでるのを見て、笑ってしまった。
「真央ってやさしーねー」
「そう?」
「うん」
「……アンタは目の前に悪い男がいるのに呑気だね」
そう言って、顔を近づけられる。タンザナイトの瞳はしっかりと私を捕らえて映していた。
綺麗なものには、触れてはいけない。
手を、伸ばしかけて止めた。宙に静止した左手は何も掴むことなく垂れ下がる。
「真央は……そんなことしない」
「は?」
「綺麗な宝石には手を伸ばしたら駄目なんだよ」
そう言って下を向こうとした。
ガッと片手で顔を捕まれ、上を向かされる。
真央の顔を見れば、無表情でこちらを見下ろしていた。美人の真顔はなんとも言えない怖さを伴う。背筋がヒヤリとした。
「言っておくけど、僕そこまでお上品じゃないから」
「まお……」
「どうせ、閉店までいるんでしょ。今日の夜は僕に時間頂戴、お話が必要そうだし」
そう言って顔から手を離して、カウンターの方へ行ってしまう。入れ替わりに恋がお冷を持ってきた。
「うーわ、お前何言ったの?あれ相当キレてんじゃん」
「…………なんで?」
「いや、こっちが聞きたいわ」
夜覚悟しとかないと食われるよ、と言いながらお冷が置かれる。
私は呆然と真央の後ろ姿を見つめることしか出来なかった。
「いい加減やめたら?」
「なぁにがぁ〜?」
「酔っ払いになるまで飲むのを」
「はぁ〜?」
aporiaの夜のバー、入口からもカウンターからも遠い隅っこの席で飲んでいると、真央からそんなことを言われた。
「私の生きるための楽しみですぅ〜!」
「さっき恋にウザ絡みしてたのも、アンタの楽しみ方なら悪趣味だね」
「真央にはしないから安心しなぁ〜?恋や明星だからしてるんだよ〜」
「へぇ……?」
ケタケタ笑いながらまた酒を煽る。煙草も吸いたいが今日はあいにく部屋に忘れてきた。そのお陰でいつもの倍は飲んでる気がしなくもない。楽しければいいのだ。
「悪い男に捕まって人生破綻しないようにね」
「わはぁ、何それ面白そ〜!」
「面白くないよ、酔っ払い。いいから水飲みな」
「嫌〜!真央、カクテルもう一杯!」
そう言えば、真央は呆れたため息を吐きながらミカ姉、お冷一つとカウンターに向かって言う。
勝手にお冷を頼まれて、面白くないから足を蹴れば睨まれた。美人の怒る顔はちょっと怖い。でも怒りより心配の方が滲んでるのを見て、笑ってしまった。
「真央ってやさしーねー」
「そう?」
「うん」
「……アンタは目の前に悪い男がいるのに呑気だね」
そう言って、顔を近づけられる。タンザナイトの瞳はしっかりと私を捕らえて映していた。
綺麗なものには、触れてはいけない。
手を、伸ばしかけて止めた。宙に静止した左手は何も掴むことなく垂れ下がる。
「真央は……そんなことしない」
「は?」
「綺麗な宝石には手を伸ばしたら駄目なんだよ」
そう言って下を向こうとした。
ガッと片手で顔を捕まれ、上を向かされる。
真央の顔を見れば、無表情でこちらを見下ろしていた。美人の真顔はなんとも言えない怖さを伴う。背筋がヒヤリとした。
「言っておくけど、僕そこまでお上品じゃないから」
「まお……」
「どうせ、閉店までいるんでしょ。今日の夜は僕に時間頂戴、お話が必要そうだし」
そう言って顔から手を離して、カウンターの方へ行ってしまう。入れ替わりに恋がお冷を持ってきた。
「うーわ、お前何言ったの?あれ相当キレてんじゃん」
「…………なんで?」
「いや、こっちが聞きたいわ」
夜覚悟しとかないと食われるよ、と言いながらお冷が置かれる。
私は呆然と真央の後ろ姿を見つめることしか出来なかった。
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