星夜ノ楔
エルヴァスティ孤児院。身寄りのない子供を収容し、養育するための施設。僕は物心ついた時からこの孤児院で暮らしていた。
どんな家に生まれたのか、両親の顔すら知らない。生まれつき左右の異なる瞳(め)がコンプレックスで、他人という存在が恐ろしく感じ、極力人を避けていた為孤立していた。
そんなある日、一人の子供が孤児院にやって来た。彼の名はヨウシア、薔薇色の瞳に紫がかった黒髪の明るい性格の少年だ。ここに新しい人が入ってくるのは珍しいことでもないし、どうせ彼も僕を気持ち悪がって避けるであろう。心底どうでもいい。
だが彼は僕に優しく手を差し伸べてくれた。正直うざかったが、後にある出来事をきっかけに心を開き、一生を共にすることになるとは当時の僕は知る由もない。
ハジマリ_挿絵
ギルド「トゥオネラ」メンバー紹介
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