キリ番リクエスト
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「ナマエさんとカルナさんってぶっちゃけ付き合ってるんスか?」
「んえ?」
ガネーシャのその質問に、こたつでぬくぬくとチョコレート味のカップアイスを頬張っていたナマエは間抜け面で、こちらはいちご味のカップアイスを頬張っていたガネーシャを見返した。
「いやだって、何か距離感おかしいじゃないっすか。友人関係のそれじゃないっていうか、傍から見ててリア充爆発しろ案件、みたいな?」
「いやそんなこと……」
ない、と言いかけてナマエは、はたと動きを止めた。
例えば、ナマエはよく座っているカルナの腿に頭を乗せる、所謂膝枕というそれで寝る事がある。
けれどそれを他の、生前から交流のある戦友的な関係のアシュヴァッターマンにするかと言われればそれはない。
お互いの食べ物をあーんしたりだとか、抱き着いたりだとか、やっぱりそれをカルナ以外の人間にするかといわれればやっぱりない。
じゃあ何故カルナだけが例外なのか。
「……え、俺カルナの事好きなのかな」
「よりによってそれアタシに聞くんスか?乙ゲーの経験しかないっスけど」
じとりとしたガネーシャの視線を華麗に無視して、残りのアイスを掬う。
冷たかったはずのそれは、こたつの熱ですでにゆるく溶けていた。
「何かあったのか」
バニラ味のカップアイスが溶けかけているのも気にせずスプーンを口にくわえたまま、ぼうっと隣で空を見つめるナマエにカルナはそう声をかけた。
「ん〜、いや、この前ガネーシャ神にカルナと付き合ってるのか〜って聞かれてさ」
その言葉にカルナがピクリと肩を動かすが、溶けかけのアイスに視線を落としていたナマエは気付かずに話を続けた。
「それで俺気付いたんだけど、膝枕とか抱き着いたりだとかするのカルナだけだな〜って。
ていうかカルナ以外の人にはしようと思わなかったなって」
それまで静かに話を聞いていたカルナの指がナマエの指を絡めて握る。
普段の触り方とは少し違うその仕草にナマエはお?、とカルナへ視線を移すと、バチリとお互いの視線がぶつかった。
「俺はずっと前から、お前の事が特別だったがな」
じっと見つめる視線の奥に見える熱。
それが一体いつから燃えていたものなのか、あれだけ一緒に過ごしていたというのにナマエには全く分からなかった。
それはただナマエが鈍いだけなのか、それともカルナが隠すのが上手かっただけなのか。
カルナの繋いだ手とは逆の手が、そっとナマエの頬をなぞり下りて親指が柔く唇に触れて止まった。
その触り方は友人に対するものではなくて、普段はだらしがないナマエの背筋がピッと伸びた。
アルジュナが見ればいつもそうやって背を伸ばしていれば良いものをと叱責するだろうか。
いやそれよりもこのライバル兼異父兄弟の普段とはだいぶ違う様子に頭を抱えるのが先だろうか。
ほんの少し強められた手の握りに、混乱で逃避していた思考が現実へと戻されて視線が絡まる。
「もっと深くお前に触れられる関係になりたいのだとそう言えば、お前は離れていくだろうか」
真剣なその言葉に、はくりと息を呑んだ。
自分の顔がらしくなく赤くなっているのだろうなんて安易に予想出来てしまって仕方がない。
それでも今この状況が決して嫌では無い、ということが答えなのだろう。
「今更離れられるわけないじゃん」
触ってよ、なんてほんの少し震えた声は柔く食まれて溶けていった。