運命
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「サーヴァント、キャスター。歌手をしておりました。どうぞ、よろしく。」
美しくどこか中性的な見た目、何より特徴的なのはその美しい声だった。
自分を元歌手だと言う新入りのサーヴァントに、マスター藤丸立香はにこやかに告げた。
「こちらこそ、よろしく!歌手だって言うなら、アマデウスやサリエリは知ってる?ここにいるから紹介するよ」
「アマデウス……サリエリ……」
ふと藤丸は、彼女の様子がおかしいことに気づいた。
顔からは血の気が失せ、身体は小さく震えている。
どうしたの?そう訪ねるつもりだった声は、彼女に思い切り肩を掴まれたことにより、口から出ることはなかった。
「絶対……絶対に2人には私の事は言わないで下さい!!もし2人には本当のことが知られてしまったら……私は……私は……っ!!」
泣きそうな声で俯く彼女に、藤丸は困ったと思うと同時に、違和感を感じた。
藤丸の肩を掴んだままの彼女の手。
一般的な女性より力強い。それはサーヴァントであるからあり得るとしても、その手はどこか筋張っていて女性的、というよりは男性的な手だ。
そうしてよくよく彼女を見れば、体型を隠すようなストールを羽織っているし、下はズボンだ。
それに、失礼かと思ったが胸元に膨らみがない。
もしや、もしや彼女は彼女ではなく……
藤丸からの視線に気づいたのだろう。
彼女?は意を決したように、藤丸に真実を告げた。
「私は、先程言った通り歌手をしていました。
なかなか人気の歌手だったと思います。"歌姫"とまで呼ばれていました。
もちろん、アマデウスやサリエリとも同じ舞台に立ったこともあります。
そのどれも、女性として。
……ここまで言えば、察してしまうかも知れません。
そう、私は女性ではありません。男性です。
カストラート、歌のために去勢をした男性です。
しかし私は、それを秘密にした。男性であることを隠し、カストラートであることを隠し、女性として嘘をついて歌姫と呼ばれた……醜い嘘つきです。」
ポロポロと涙を流す彼に、藤丸は何も言うことが出来なかった。
この後アマデウスとサリエリにバレる。
歌手サーヴァントの歌姫くん
カストラート、変声期を人為的に無くすために去勢した男性歌手のこと。
歌姫くんはそれを隠して、女性として歌を歌っていた。
男性だってバレないように見目には人1倍気をつけてるけど、去勢しても成長ホルモンはでるから骨とかそういうどうにも出来ない部分の体型は服装でカバーしてた。
アマデウスやサリエリの事は尊敬してるし好きだけど、会いたくない。
生前、罪の意識に耐えきれず焼身自殺。
燃えれば証拠残らないから。
一番最初に喉に火をつけた。
アマデウス
驚いたけど、別に気にしてない。本人凄い罪悪感持ってるみたいだし、それより君の歌が好きだから、また聴かせてくれよ。
サリエリ
驚いた。けど別に責めたりしない。それよりむっちゃ心配、大丈夫?
無辜の怪物になっても、歌姫くんの歌が好き。
実は初恋の相手だったりする。
歌姫くんの前だと、気持ちアマデウスへの暴走が薄まる。初恋すごい……