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ナマエはカムラの里の絵描きだ。
彼はモンスターの絵を図録の一部として提供したり、風景画などは交易の品として出品したりして生計を立てていた。
ナマエには幼馴染がいる。
「ナマエ、これ、良かったら貰ってくれないかな」
幼馴染な彼の名前はウツシ。現役のハンター兼新人ハンター達の教官だ。そんな彼の手には、砂原の特産品である熱帯イチゴ。
ウツシはこうして任務で狩りに出かけては、度々その土地や狩ったモンスターの素材をナマエに贈ってくれるのだ。
「いつも悪いな、ウツシ」
「いや、俺がやりたくてやってるからさ」
ウツシとナマエの性格は真逆に近い。
それでも2人はお互いを大切に想っている。
幼少期、家にこもりがちだったナマエの手を引いてくれたのはいつだってウツシで、訓練で怪我をしたウツシの手当をするのがナマエだった。
ウツシには言っていないが、ナマエがモンスターの絵を描き始めたのだって、少しでもウツシの狩りに役立てればと思ったからだ。
次の任務へと出たウツシを見送る。
「あら、またウツシさんからの贈り物ですか?」
贈られた熱帯イチゴを掌で転がしていると、そう声をかけてきたのは竜人姉妹の姉であるヒノエだ。
カムラの里で2人を知る人物なら、ウツシからナマエへの贈り物はよく知られている事だった。
「うん、そう。.......それにしても、なんで彼奴はいつもお土産なんてくれるんだろうな」
いくら仲の良い幼馴染同士でも、面倒では無いのだろうかと。
いつからか始まったこれに、ナマエがポロリと疑問を零した。
それにヒノエは、あぁ!と手を叩いた。
「それは私も気になって、1度聞いてみたことがあるんです」
いたずらっ子の様な顔で、ヒノエがナマエを見つめる。
「行く先で綺麗なものや素敵なものを見ると、ナマエさんの顔が浮かぶそうで、共有したくなるそうですよ。
それで、そうして持ち帰れるものは贈っているのだとか」
愛されてますね、なんて楽しげに笑うヒノエに、ナマエは1つ熱帯イチゴを手に取った。
何だか異様に頬が熱い。
「.......今度、飯にでも誘ってみようかな」
「ええ、それが良いかと」
ぽいっと口に放り込んだそれは、甘酸っぱい味がした。