運命
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「何度言ったら分かるんだゴラァ!!!」
「オア゙ア゙ア゙ア゙!!怒鳴らないでよぉ!!」
ズルズルと人1人怒声を上げて引き摺りながら食堂にやってきたアシュヴァッターマンにジナコもといガネーシャは、またか.......と遠い目でお昼のカレーを頬張った。
アシュヴァッターマンに引き摺られながら食堂に連れてこられた男の名はナマエ。
アシュヴァッターマンやカルナと同郷でこのカルデアに召喚されたサーヴァントである。
特にアシュヴァッターマンはカルナ達と会うずっと前からナマエと親交があったらしく、よく気にかけ何かと世話を焼いていた。もしくは、怒っていた。というか9割9部怒っていた。
その理由が今食堂に引き摺られて来た訳でもあるのだが。
まぁ端的に言うと、ナマエはガネーシャと同じタイプなのである。
オタク気質で引きこもり。更にナマエは1度集中すると周りが見えなくなるのだ。
ゲームに熱中しすぎてまる1日寝食を忘れ部屋にに引きこもっているなどよくある事で、酷い時にはそれが1週間にも及ぶ。
サーヴァントなんだし良くない?とはナマエの談であるが、それを許さないのが周り、というかアシュヴァッターマン。
定期的にナマエの自室を訪れては、食事をした形跡が無ければ今回のように引き摺って食堂に連れて行き、引き篭もり続けていればまた引き摺ってシュミレーターまで連れて行き運動をさせ、夜中まで起き続けていればまた布団まで引き摺って寝かしつける。
それはもはやお母さんというか、介護の領域にまで片足突っ込んでいるのでは?とナマエのゲーム仲間なガネーシャは、アシュヴァッターマンに引きづられていくナマエを哀れみの目で見送っては手を合わせている。
ちなみに、一緒にゲームをしているとたまにガネーシャも同じように引き摺られていくことがあるので、アシュヴァッターマンが来た際は出来るだけ気配を殺している。
そんなこんなでナマエを食堂に引き摺って来たアシュヴァッターマンは慣れた手つきでナマエを椅子に座らせ、ナマエに何が食べたいか聞き、ちゃっちゃかご飯を用意するとこれまた慣れた手つきでえぐえぐといまだ半泣きのナマエの口へご飯を突っ込んでいく。
そこまでの一連の流れで、ふとガネーシャは気付く。
あれ?これお母さんでも介護でもなく、バカップルのそれなのでは?と。
これまでの事を、よくよく思い返す
シュミレーターに連れて行かれたナマエは毎度毎度運動という名の擬似戦闘をしている訳ではなく、たまに2人で故郷とは違う風景を見てまわるというし、寝かしつけられる時は添い寝で腕枕付きだという。
それに今もナマエに自分で用意させ食べさせればいいのに、甲斐甲斐しく世話を焼きあまつさえあーん。なんてしている。
あれこれもしやただのデート?イチャイチャ?リア充爆発しろ案件?
「ほら、口開けろ。美味いかナマエ」
「んぐ、美味しいです.......」
視界の端に映るそんな光景。見ればアシュヴァッターマンの顔は満更でもなさそうな笑顔。
というか、改めて考えれば兄貴肌で面倒見の良い方ではあるが、アシュヴァッターマンがいくら生前からの付き合いといえどあそこまで尽くしているのはそういうことなのでは。
とたんに自称非リア充代表ガネーシャはすごい嫌な気持ちになったので、暫くナマエとは一緒にゲームしないし、なんなら積極的にアシュヴァッターマンに報告してやることにした。
ちなみにこれは後日談だが、カルナさんいわくアシュヴァッターマンがナマエを見る目はひどく優しくて特別なのだという。
それを聞いたガネーシャはリア充爆発しろ!なんて心の底から叫んで炬燵に引きこもった。