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まだ幼かったあの頃。
養子として宮田家に貰われた少年は、司郎 と呼ばれた。それは死んだ筈の子供の名前。
義母からの異常な執着。義父の無関心。村の人々からの影口。
それらはまだ幼い少年に深い傷をつける。
「ねぇ、どうしたの、大丈夫?」
ボロボロで一人俯く姿に声をかけたのは、同じ小学校で隣のクラスの男の子。
どうして声をかける、宮田家には関わるなと言われているはずではないのか?一人にしてくれ。もうこれ以上痛いのは嫌だ。
湧き出る疑問と拒絶は口に出ることはなく、胸の内で渦巻く。
「怪我してる……これ、絆創膏。」
黙ったまま俯く司郎は、差し出された絆創膏を受け取ることは無い。そんな様子に彼は少し困った風だったが、ハッと何かを思い出したように司郎の手を取り握る。
急なことに司郎は驚いた。けれど何故か、その手を振り解くことが出来ない。彼の手が温かいせいだろうか。
「痛いの痛いの飛んでけー!これね、お呪い!前に母さんが教えてくれたんだ。ねぇ、痛いのどっかいっちゃった?」
その時司郎は初めて顔を上げた。
長らく自分に向けられたことのなかった笑顔がそこにあった。
温かくて、優しくて、ひどく泣きたい気持ちになる。
まだ、痛い?自分への心配でその笑顔が曇る。
そんな顔しないで、笑って。
「ありがとう、痛いの無くなった。」
ほんと!?良かった!そう言ってまた笑顔になった彼に、司郎は自分の心の柔らかい大切な部分を持っていかれたことに気がついた。
この絶望の中で、司郎はその時確かに救いを得たのだ。
絶対に、この救いを手放しはしない。
同級生の男の子
天真爛漫な男の子。
実は例の土砂災害で両親を亡くしている。
家族ぐるみで付き合いのあった志村のじっちゃんところで暮らしてる。
じっちゃんからあんま御三家には近寄るな言われてたけど、幼い司郎少年が心配で声をかけた。
宮田司郎
宮田家にやって来たばかり。
義母は執着心で暴力奮うわ、義父も他の人も助けてくれないわで心身ともにボロボロの時に男の子に声をかけられて落ちた。
この気持ちが、友情か恋なのかはたまた別の何かなのかは分からないけど、絶対に手放したくない。他人排除型ヤンデレと化すことは確か。