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巷に蔓延る妄想の数々、転生、トリップ、救済……etc
けど、まさか本当にそんな事が自分の身に降りかかるなんて、思いもしないじゃないか。
おぎゃあと生まれて気がつけば令和から大正へ。
親だった肉の塊を、ぐっちゃぐっちゃと異形何かが貪り食らっている。
あぁ、ここは鬼滅の刃の世界なのかと、どうしようも無い絶望を知ったのは、まだ齢1桁の頃だった。
「先生?」
舌っ足らずな声で自分を呼んだ、その小さな体を抱き締める。
救済なんてそんなことできない。
誰かを、何かを傷つけ刀を振るうのは恐い。
死と隣り合わせで、それでも尚他人を助けようだなんて、そんなこと自分には無理だ。
未来の死を知っていて、それでも自分可愛さに見て見ぬふりをする私を許してくれ。
せめてもと藤の花を掲げ、原作にはない、孤児の君を助けて罪を軽くしようとする私を、どうか、どうか許してくれ。
愚かにも許しを乞う私を、幼子の純粋な目が見つめていた。
知識有り転生トリップした人(先生)とそんな人に救われたモブの孤児(男主)の話
鬼滅の刃の世界に転生トリップして気が付いたら親が目の前で鬼食われてSAN値直葬しちゃった先生。
原作知識あって錆兎のこととか煉獄さんのこととか、もっと言えば胡蝶姉妹のこととか玄弥くんのこととか悲しい結末を沢山知っているのに、怖すぎて行動に移すことなく知らぬ存ぜぬを決めた人。鬼怖すぎ無理死にたくない、ってガクブル。けど罪悪感半端じゃなくて胃がマッハ。せめてもの思いで藤の家紋を掲げる。
そんな時、原作にはいなかった孤児を発見。
せめてもの償いで拾って育てることを決意。その孤児こそが男主。
自分を助けてくれた先生大好き男主くん、いつか恩返しがしたいと思ってたのにある日耐えきれなくなって先生が自殺。
悲しむ男主くん、遺品整理中に先生の日記を見つける。日記の内容は原作のこと。知っているのいるのに何もしない自分を許して欲しいっていう謝罪の言葉の数々。
それを読んだ男主思いつく、ここに書いてある人達を助ければ先生への恩返しになるのでは???
そこから男主くんの恩返し救済話が始まる。
↓以下錆兎救済時話
「お前のおかげで、師と友を悲しませずに済んだ……礼を言う、ありがとう」
そう言って頭を下げる宍色の髪の少年の姿に、彼は小さく首を振った。
「その言葉、俺の先生へ言って欲しい。
先生は、お前達を救いたいと、救えないと、いつも許しを乞うていた。
だから、お前達が救われたと思うのならば、それは先生のおかげだ。俺は、先生の想いに報いただけなのだから」
淡々と、それだけ伝えて宍色を救った少年は踵を返して歩き出す。
彼が言っていた言葉が何を示しているのか、宍色、錆兎には何も分からなかったが、それでも自分が死の淵から救われたことだけは理解していた。
もう一度彼の背へ、深く深く頭を下げると、自分も義勇の元へ戻るべく歩き出した。