幕間
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「士朗の作るものは、どれも美味しいですね」
そう言って笑うリアムの顔が心底優しいもので、赤くなってしまった顔でどうにか「ありがとうな」と返事をした。不意打ち反対!
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かつて見上げる側だった自分も、年月を経て今では見下げる側へと変わったことを感慨深く思いながら彼の旋毛を見つめていると、視線に気づいたのか柔らかな微笑みがこちらを振り返った。
「どうかしましたか、アーチャー」
そう問うた彼に、特に意味は無いのだ言おうとした言葉は、伸ばされた手でそっと頭を撫でられたことより、口から出ることは無かった。
「……大きくなりましたね、士朗」
代わりに紡がれたリアムの言葉に、あぁ、かなわないな。とその温もりを享受した。
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こたつでぬくぬく寛ぐ大河の姿は、まさに猫、いやジャガーの様だ。その隣で珍しくリアムもうつらうつらと船を漕いでいる。
「リアムもコタツの魔力には叶わなかったか」
珍しい彼の様子に、士郎は静かに笑った。
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あてもなく一人商店街を歩いていると、ゲーム屋の前で何やら箱を持ち上げて、上機嫌に見つめるライダーイスカンダルと、呆れたような眼差しで彼を見るマスター ウェイバー・ベルベットの姿。向こうもこちらを視認したようで、満面の笑みで声をかけてきた。
「丁度いいところで会ったな、セイバー。どうだ、この新作ゲーム!最大4人まで遊べるらしいのだが、お主も一緒にどうだ!!」
キラキラワクワク。ライダーの笑顔に、リアムも笑顔で頷いた。
「そういったゲーム、というものはやった事がありませんが、それでよろしいのならお相手させていただきましょう」
良い良い!とますます機嫌を良くしたライダーとは反対に、ポコポコと怒るウェイバー。
「停戦中とはいえ、敵のサーヴァントと一緒にゲームやるやつがどこにいるって言うんだよ!このバカ!!」
それでも結局のところ、セイバーならまだマシと三人仲良くゲームで盛り上がるまであと1時間。
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「同じセイバークラスの者同士、一度貴方と戦ってみたいと思っていました」
竹刀を構えて言う騎士王に、リアムもまた竹刀を握る手に力を込めた。
「貴方の様な方と試合ができるとは、思ってもいませんでした」
道場に響く竹刀の音。決着はまだつきそうにない。
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コーヒーに砂糖とミルク。どちらもやや多めの量。リアムはほんの少し恥ずかしそうに笑った。
「ブラックも一応は飲めるんですけど、甘い方が好きで……」
どこか子供っぽい彼の一面に、これがギャップ
萌えなのかと、寝起きの頭で切嗣は思った。