Grand Order
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2月14日
カルデア内の廊下を、マスターである藤丸立香はキョロキョロと辺りを見渡しながら歩いていた。
そんな立香の後ろから影が一つ……。
「こんにちは、マスター。何かお探しですか?」
「うわぁ!!」
後ろからかけられた声に、色気もへったくれもない立香の声が廊下に響く。
「ご、ごめんなさいマスター。後ろから急に声をかけるべきではなかったですね、配慮が足りませんでした。」
立香の様子に、申し訳なさそうに謝る影の正体。
「リアム!大丈夫、気にしないで。それよりもちょうど良かった。」
セイバーリアム。彼は序盤の冬木から召喚に応じ、共にここまで戦ってきてくれた頼もしい仲間の1人である。
立香は今日そんな彼を探していたのだ。
「はい、これ!日頃の感謝の印です。」
キョトンとした顔のリアムの前に差し出すのは、赤い包装紙に黄色いリボンのラッピングをされた、可愛らしい長方形の箱。その箱からほのかに甘い香り。
「これは、チョコですか?」
バレンタインだからね!と笑う立香に、リアムも嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます、マスター。とても嬉しいです。それでは私もこれを……」
今度は逆にリアムが立香に贈ったのは、透明なプラスチックの長方形の箱。中に見えるのはクッション材の上に鎮座する、桜色や水色をしたカラフルな球状の何かが4つ。
そこから匂うチョコとは違う爽やかな良い香りに、立香は首を傾げた。
「それはバスボムです。初めてそういったものを作ってみたので少し心配ですが、香りは他の方達からのお墨付きです。よろしければ、浴槽に浸かる時に使ってください。」
ふんふんと箱に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ立香に、リアムは穏やかに微笑んだ。
「ありがとうリアム、さっそく後で使うね!」
世間一般とは、少し違うかもしれないカルデアのバレンタインデー。
それでもリアムは、互いに日頃の思いを伝え、贈り物をするこの日を何よりもかけがえのない1日なのだと、自分の贈り物に喜んでくれた立香の姿に、良かったと胸を撫で下ろすのだった。
・・・・・・
概念礼装︰バスボム
お手製バスボム。
浴槽に入れるとシュワシュワ溶ける。お風呂場に優しく広がるその香りに、リラックスできるのは間違いなし。
少しでも日頃の疲れの癒しになればと作られた一品。