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昼間の探索を終えたリアムとアイリスフィールは1度拠点に戻ってから、今度は夜間の冬木探索を開始した。
他のマスターやサーヴァントに会うのは、夜間の方が確率がぐんと上がる。
冬木の港を、リアムとアイリスフィールは並んで歩いていた。
潮風に揺れる髪を手で抑えながら、アイリスフィールはそういえばね、と口を開いた。
「昼間、セイバーと切嗣の事を考えていたの」
「私とマスター……ですか」
えぇ。と頷いたアイリスフィールは、ふわりと笑ってリアムを見つめた。
「最近、2人の関係が変わったと思って。もちろん良い方向によ?2人が仲が良いと、私も嬉しいわ」
だからね、お願いがあるの。
アイリスフィールの真剣な声音に、リアムは黙って聞いていた。
「貴方は、切嗣の隣で一緒に戦ってあげて。
私は、切嗣の妻として共にいることはできる。けど、私の力じゃ一緒には戦ってあげられない。舞弥もきっと、同じ。
だから、あの人が独りで戦うことのないように、貴方に隣にいてほしいの」
アイリスフィールの願いに、リアムはそっと口を開いた。
「私でよければ、いくらでもマスターの、切嗣の隣で共に戦いましょう。
けれど、アイリスフィール。これだけは言わせてください」
首を傾げるアイリスフィールに、リアムはクスリと笑う。
「切嗣は、貴女がいるから、帰る場所を見失はずにいられるのです。貴女とイリヤスフィールの存在が、切嗣の傷を癒すことができる。だからこそ、切嗣は今も戦っていられる。
そういった意味では貴女も共に、切嗣と戦っているんですよ。貴女は、誇っていい」
リアムの目が、とても穏やかで優しいもので。
アイリスフィールは、自分の胸にジワリと温かなものが広がっていくのを感じた。
私は、切嗣の役に立てているのだ。と。
その時、それまでの穏やかな空気が一瞬で霧散し、リアムが鋭い目つきで港に置かれたコンテナ群を睨んだ。
「アイリスフィール、100m程先の物陰から気配が。こちらを誘っているようですが、どうしますか」
「律儀ね……戦う場所を選ぼうってわけ……御招きに与るとする?」
アイリスフィールの提案に、頷いた。
「了解しました」
静かな夜の港が今、戦いの舞台へと。