弟たちよ、かわいくあれ
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おれらの姉さんは一言で言うとおかしいくらいに優しい。
こんなクズニート、ましてや同じ顔の6人もの弟たちを時々うだうだ言いながらも愛情を込めて接してくれている。その中で1番クズなおれにだって、もちろんのこと。
そんな姉さんだからこそ、幸せになって欲しいと思っている。それは多分おれだけが思っているわけじゃない。
「一松〜、2人で散歩行かない?」
ある日、台所でのんびりラジオを聴いていると、姉さんがひょっこりと現れてそう言った。
え、2人で?
「…なんでおれと?他の奴らは?」
「んー、一松と最近ゆっくり話せて無いから、2人で行こうかなって」
何食わぬ顔でそう返す姉さん。
確かにそうかもしれない、ここ何日間か家の中でさえ2人きりになる事もなかったし…
姉さんは家族とのコミュニケーションを大切にしている人だ。こうやって一人一人の家族としっかりと時間を取るようにしている。
実際、おれは他の奴らがいる前では自分から姉さんに話しかけたりはしない。だから今は正直に言う、めちゃくちゃに嬉しい。
「…どこ行くの?」
「公園は?なんかね、昨日通りかかったら猫がいっぱいいたよ」
「わかった」
幸い他の兄弟たちもどこかに出かけているようだ。なんだかんだ、おれたちをみて「一緒に行く」と誰かが着いてくる可能性もあったから少し安心。
おれと姉さんはテレビを見ながらゴロゴロしている母さんに行ってきますと声をかけて玄関を出た。
……
他愛もない会話をしながら公園に着くと、姉さんの噂通り何匹か猫がいる。どうやら一時的な溜まり場になっているらしい。その光景だけで心がワクワクしてきた。
「いやぁー可愛いなぁ〜!一松、どうやったら猫と仲良くなれるんだっけ?」
「…こうする」
自前の猫じゃらしを使って猫を呼んでみると、二匹ほど反応してこちらへ近づいてきた。近づいたなら後はこっちのもの、猫じゃらしにじゃれついている所を撫でればしばらく逃げることはない。
「すごっ、やっぱ一松って猫に好かれてるね。私も触っていい?」
「…う、うん」
姉さんはおれの肩に自分のそれが当たるほど真隣にしゃがむと、おれが触っている猫を違う角度から優しく撫でた。
それはいいのだけれど、久しぶりに姉さんがこんなに近くにいるのだ、分からないけど少し緊張してしまった。いや、どうかしてる…本人は猫に夢中でなんとも思ってなさそうだけど…
「…姉さん、あのさ…」
猫は可愛い。おれの唯一の友達で、癒しだ。
でも久しぶりの姉さんと2人きり、ということもあってもう少し近くにいたい気持ちが勝り、おれは勇気を出して声をかけてみた。正直猫どころではない。
「ん?」と姉さんはその距離のままおれに相槌を打つと、まるで察したかのように猫を撫でていた手を止めてにやぁーっと笑う。
「…あー!一松甘えたいんだ、そうなんだ〜」
「…はぁっ!?…いや…その……ええまあ、思ってなくはないです…けど」
「はーい図星だね〜、2人きりにならないと来てくれないもんね」
うわ〜バレてるバレてる、いや元からバレてるのは承知の上だけど敢えて言葉に出されるとくっそ恥ずかしい。
でも当てられたのなら仕方ないよな、と流れに責任転嫁して、一旦猫達を解放した後におれは足を崩して姉さんの肩に身を寄せた。
同じく姉さんも地面に腰を下ろし、もたれかかるおれの頭をそっと撫でる。
この感覚、何日振りなのか分からないけど…凄く心地いい。
「…姉さんってさ、すごいよね…」
「えっ、どうしたいきなり」
心地よさの最中、常に考えてることを思わず口にしてしまった。
「あ、いや…だってこんなクソみたいな弟達をさ、いつも気にかけてくれてるし、仕事も頑張ってるし…」
「いや…確かに色々心配で思うことはあっても可愛いし、家族だし、当たり前じゃない?仕事に関してはフリーターだけどねぇ。ははは…」
「…いやぁ、すごいよ…おれ絶対無理だもん。特におれなんか、こんななのに…」
「関係ありませーん。一松のいいところならたくさんあるよ?私たちの細かい変化に気付くところとかさ?」
そう言って微笑む姉さんに頭を撫でられながら目を閉じる。
猫達は気がつけばどこかに消えてしまっていた。
「…物好きなんだよ、姉さんは」
「なんとでも言いなさい」
おれの嬉しい気持ちはバレてるに違いない。でもそれでいい。
改めて、こんな姉さんだからこそ、おれたちのことは気にせず幸せになって欲しいと思う。でもどこかに行ってしまうのは寂しいからずっと一緒に居て欲しい。
…こんな変なこと、直接言えないけど…。
こんなクズニート、ましてや同じ顔の6人もの弟たちを時々うだうだ言いながらも愛情を込めて接してくれている。その中で1番クズなおれにだって、もちろんのこと。
そんな姉さんだからこそ、幸せになって欲しいと思っている。それは多分おれだけが思っているわけじゃない。
「一松〜、2人で散歩行かない?」
ある日、台所でのんびりラジオを聴いていると、姉さんがひょっこりと現れてそう言った。
え、2人で?
「…なんでおれと?他の奴らは?」
「んー、一松と最近ゆっくり話せて無いから、2人で行こうかなって」
何食わぬ顔でそう返す姉さん。
確かにそうかもしれない、ここ何日間か家の中でさえ2人きりになる事もなかったし…
姉さんは家族とのコミュニケーションを大切にしている人だ。こうやって一人一人の家族としっかりと時間を取るようにしている。
実際、おれは他の奴らがいる前では自分から姉さんに話しかけたりはしない。だから今は正直に言う、めちゃくちゃに嬉しい。
「…どこ行くの?」
「公園は?なんかね、昨日通りかかったら猫がいっぱいいたよ」
「わかった」
幸い他の兄弟たちもどこかに出かけているようだ。なんだかんだ、おれたちをみて「一緒に行く」と誰かが着いてくる可能性もあったから少し安心。
おれと姉さんはテレビを見ながらゴロゴロしている母さんに行ってきますと声をかけて玄関を出た。
……
他愛もない会話をしながら公園に着くと、姉さんの噂通り何匹か猫がいる。どうやら一時的な溜まり場になっているらしい。その光景だけで心がワクワクしてきた。
「いやぁー可愛いなぁ〜!一松、どうやったら猫と仲良くなれるんだっけ?」
「…こうする」
自前の猫じゃらしを使って猫を呼んでみると、二匹ほど反応してこちらへ近づいてきた。近づいたなら後はこっちのもの、猫じゃらしにじゃれついている所を撫でればしばらく逃げることはない。
「すごっ、やっぱ一松って猫に好かれてるね。私も触っていい?」
「…う、うん」
姉さんはおれの肩に自分のそれが当たるほど真隣にしゃがむと、おれが触っている猫を違う角度から優しく撫でた。
それはいいのだけれど、久しぶりに姉さんがこんなに近くにいるのだ、分からないけど少し緊張してしまった。いや、どうかしてる…本人は猫に夢中でなんとも思ってなさそうだけど…
「…姉さん、あのさ…」
猫は可愛い。おれの唯一の友達で、癒しだ。
でも久しぶりの姉さんと2人きり、ということもあってもう少し近くにいたい気持ちが勝り、おれは勇気を出して声をかけてみた。正直猫どころではない。
「ん?」と姉さんはその距離のままおれに相槌を打つと、まるで察したかのように猫を撫でていた手を止めてにやぁーっと笑う。
「…あー!一松甘えたいんだ、そうなんだ〜」
「…はぁっ!?…いや…その……ええまあ、思ってなくはないです…けど」
「はーい図星だね〜、2人きりにならないと来てくれないもんね」
うわ〜バレてるバレてる、いや元からバレてるのは承知の上だけど敢えて言葉に出されるとくっそ恥ずかしい。
でも当てられたのなら仕方ないよな、と流れに責任転嫁して、一旦猫達を解放した後におれは足を崩して姉さんの肩に身を寄せた。
同じく姉さんも地面に腰を下ろし、もたれかかるおれの頭をそっと撫でる。
この感覚、何日振りなのか分からないけど…凄く心地いい。
「…姉さんってさ、すごいよね…」
「えっ、どうしたいきなり」
心地よさの最中、常に考えてることを思わず口にしてしまった。
「あ、いや…だってこんなクソみたいな弟達をさ、いつも気にかけてくれてるし、仕事も頑張ってるし…」
「いや…確かに色々心配で思うことはあっても可愛いし、家族だし、当たり前じゃない?仕事に関してはフリーターだけどねぇ。ははは…」
「…いやぁ、すごいよ…おれ絶対無理だもん。特におれなんか、こんななのに…」
「関係ありませーん。一松のいいところならたくさんあるよ?私たちの細かい変化に気付くところとかさ?」
そう言って微笑む姉さんに頭を撫でられながら目を閉じる。
猫達は気がつけばどこかに消えてしまっていた。
「…物好きなんだよ、姉さんは」
「なんとでも言いなさい」
おれの嬉しい気持ちはバレてるに違いない。でもそれでいい。
改めて、こんな姉さんだからこそ、おれたちのことは気にせず幸せになって欲しいと思う。でもどこかに行ってしまうのは寂しいからずっと一緒に居て欲しい。
…こんな変なこと、直接言えないけど…。
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