弟たちよ、かわいくあれ
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…さて、末っ子が慌てて出て行ったものの、この四男は未だ入り口の扉から動かない。
体育座りしてじっ…とこちらを見つめている。
一体なんなんだ、どうした?ほんとに。
私も横たわったまま数メートル先に居る一松を見つめ返して声をかけることしかできなかった。
「い、一松…?」
「……」
「おーい…一松〜」
最早自分が熱があることすら忘れて何度か一松の名前を呼ぶ。
するとはぁ〜…と大きな溜息と共にようやく口を開いてくれた。
「…あのさ、おれ、必要?」
「…え?」
「冷えピタ貼って貰ったり、おかゆ食べさせて貰ったり、何かしら看病してもらったり…おれすることないじゃんって思って…」
で、出たーっ、拗ねてるよこの人!
そしてこんな時に可愛いとか思っちゃってごめん!
「そんなことないよ、近くに居てくれるだけで元気出るんだけどな」
「でも姉さん既に元気になってきてるし…」
「いいから来て」
最後のひと押しで来て、と言えば一松はのそのそと部屋に入り、入り口の襖を閉めた。
そのまま私の近くまで来ると、またその場で体育座り。
そして私の顔を見るや否や、「あれ、近くで見ると顔赤い…」と呟いた。
ほんと、なんか所々忘れるけど私熱があるんだった。
「一松のいう通り、気持ち的には元気になってきたんだけどね、変に動いたらクラクラするし…一晩は寝ないと熱は下がらないっぽい」
私がアハハ、と笑いながらそう言うと、一松はうーん…と何かを考えているような顔をする。
しばらくすると何かに閃いたようだ。
「…そうだ。姉さんが早く治るようおれが風邪貰えばいいんだ」
「はい?」
ん?それはつまりどういうことでしょうか…??
と尋ねる前に一松は何を思ったのか私の布団を捲り中に入ってこようとしている。
いやいやちょっと待て!ツッコミ入れる直前に行動起こさないで!!
「一松さん!?風邪移るよ!?」
「うん、隣で寝るから移して。そしたら楽になるでしょ」
「ダメダメ、移すわけにはっ…ちょっとぉぉ」
大切な弟に風邪を移すわけにはいかない一心で私はできる限りの体力を使い、一松が捲る布団を押さえるも、一松はフシャァァっと猫戦闘モードに入ってしまった。
いやなんで戦闘モード!?なんの戦い!?
誰でもいいからこの子をなんとかしてくれ!
私の願いが天に届いたのだろうか、突然スパァン!と部屋の扉が開かれた。
「フッ、呼んだかシスター…このカラ松が熱にうなされし哀れな姉をウイルスも蕩けるような子守唄で…
って、え?」
「か、カラ松ぅ…!」
順番的に看病No.6のカラ松がタイミングよく来てくれたようだ。
この状況に流石にカッコつけてる余裕は無く、少し戸惑ったような表情でこちらを凝視しているが。
「…チッ、邪魔が入ってきやがった」
舌打ちして動きを止める一松。
めちゃくちゃ不服そうだ。
「…い、一松、弟に風邪移すわけにはいかないからね…元気になったら一緒に昼寝でもしよう」
「…っ…ね、姉さんがそう言うなら。…なんか、ごめん」
「謝らないで、私の風邪を治そうとしてくれたことに変わりはないんだからさ?ありがと」
「…うん」
一松の不服そうな表情は和らいだようだ。
まあ、彼らしいというか、なんというか…
約束通り昼寝する時はこっそり誘おうかな。
一松が出ていくと、その一連の流れをぼーっと見ていたカラ松は真面目な表情で私に声をかける。
「ね、姉さん…熱は大丈夫なのか?」
「…いや、熱はある、寝れば確実に治るけど…」
そういうと、カラ松は待ってましたと言わんばかりにフッ……と笑い、いつものサングラスを装着。
今更だがギターを持っていたようで、私の近くに座ると早速ボロロ〜ンと優しい音色を奏でてくれる。
…あ、なんか心地良い。
「そう思って、シスターが寝れるような子守唄を屋根の上で作曲してきたんだ、熟睡できるぜ〜?」
「えっ、このためだけに作曲?…天才?」
「フフン、大切なシスターが熱にやられているんだ、オレにかかればこのくらい朝飯前さ」
ワオ、何ということでしょう…
弟たちや世の中は全く彼を相手にしないが、そろそろこの子の秘めたる才能に早く気付いた方がいいと思う。
「ありがとうカラ松、そこまでしてくれてたなんて…」
ギター弾ける、曲作れる、自分の顔入りタンクトップも作れる…
この次男、我が弟ながら素晴らしい原石そのものでは?
「それじゃあ、ぐっすり眠ってくれよ?
…カラ松より、『シーユー⭐︎バッド・フィーバー 〜ディープなスリープに落ちてゆけ〜』」
…なにその題名…。
結局、カラ松の優しいギターと子守唄は不思議と眠りを誘うものであり、私は早々に熟睡できたようだった。
…………………………………………
翌日、熱はすっかり下がっていた。
「みんなおはよう、昨日はありがとうね〜」
「ワーイ!ねーさん元気になったー!!」
リビングの襖を開けた私の姿を見るや否や、前でぴょんぴょん跳ねる十四松。
チョロ松もニコニコしている。
「やっぱり、元気な姉さん見ると安心するよね」
「んーでもボクはもうちょっとねえさんのお世話したかったかも〜。またねえさんが風邪引いたらボクが専属で看病してもいい?」
「うーんトド松、それは少し勘弁かな…」
いや、恥ずかしかったし…
「フッ、最後オレの子守唄で眠りの世界へ落ちていくシスター、グレイトだったぜ」
「はぇー…すげぇな姉さん、あれでよく眠れたな」
「…あり得ない…」
おそ松と一松の容赦ないツッコミはカラ松の耳には入っていないようだ。
まぁ、恥ずかしかったり焦ったり色々ありはしたけど、また弟たちに看病されるのも悪くないかも…なんて思ったり。
そして今日も、私は個性豊かな弟たちに囲まれるのであった。
体育座りしてじっ…とこちらを見つめている。
一体なんなんだ、どうした?ほんとに。
私も横たわったまま数メートル先に居る一松を見つめ返して声をかけることしかできなかった。
「い、一松…?」
「……」
「おーい…一松〜」
最早自分が熱があることすら忘れて何度か一松の名前を呼ぶ。
するとはぁ〜…と大きな溜息と共にようやく口を開いてくれた。
「…あのさ、おれ、必要?」
「…え?」
「冷えピタ貼って貰ったり、おかゆ食べさせて貰ったり、何かしら看病してもらったり…おれすることないじゃんって思って…」
で、出たーっ、拗ねてるよこの人!
そしてこんな時に可愛いとか思っちゃってごめん!
「そんなことないよ、近くに居てくれるだけで元気出るんだけどな」
「でも姉さん既に元気になってきてるし…」
「いいから来て」
最後のひと押しで来て、と言えば一松はのそのそと部屋に入り、入り口の襖を閉めた。
そのまま私の近くまで来ると、またその場で体育座り。
そして私の顔を見るや否や、「あれ、近くで見ると顔赤い…」と呟いた。
ほんと、なんか所々忘れるけど私熱があるんだった。
「一松のいう通り、気持ち的には元気になってきたんだけどね、変に動いたらクラクラするし…一晩は寝ないと熱は下がらないっぽい」
私がアハハ、と笑いながらそう言うと、一松はうーん…と何かを考えているような顔をする。
しばらくすると何かに閃いたようだ。
「…そうだ。姉さんが早く治るようおれが風邪貰えばいいんだ」
「はい?」
ん?それはつまりどういうことでしょうか…??
と尋ねる前に一松は何を思ったのか私の布団を捲り中に入ってこようとしている。
いやいやちょっと待て!ツッコミ入れる直前に行動起こさないで!!
「一松さん!?風邪移るよ!?」
「うん、隣で寝るから移して。そしたら楽になるでしょ」
「ダメダメ、移すわけにはっ…ちょっとぉぉ」
大切な弟に風邪を移すわけにはいかない一心で私はできる限りの体力を使い、一松が捲る布団を押さえるも、一松はフシャァァっと猫戦闘モードに入ってしまった。
いやなんで戦闘モード!?なんの戦い!?
誰でもいいからこの子をなんとかしてくれ!
私の願いが天に届いたのだろうか、突然スパァン!と部屋の扉が開かれた。
「フッ、呼んだかシスター…このカラ松が熱にうなされし哀れな姉をウイルスも蕩けるような子守唄で…
って、え?」
「か、カラ松ぅ…!」
順番的に看病No.6のカラ松がタイミングよく来てくれたようだ。
この状況に流石にカッコつけてる余裕は無く、少し戸惑ったような表情でこちらを凝視しているが。
「…チッ、邪魔が入ってきやがった」
舌打ちして動きを止める一松。
めちゃくちゃ不服そうだ。
「…い、一松、弟に風邪移すわけにはいかないからね…元気になったら一緒に昼寝でもしよう」
「…っ…ね、姉さんがそう言うなら。…なんか、ごめん」
「謝らないで、私の風邪を治そうとしてくれたことに変わりはないんだからさ?ありがと」
「…うん」
一松の不服そうな表情は和らいだようだ。
まあ、彼らしいというか、なんというか…
約束通り昼寝する時はこっそり誘おうかな。
一松が出ていくと、その一連の流れをぼーっと見ていたカラ松は真面目な表情で私に声をかける。
「ね、姉さん…熱は大丈夫なのか?」
「…いや、熱はある、寝れば確実に治るけど…」
そういうと、カラ松は待ってましたと言わんばかりにフッ……と笑い、いつものサングラスを装着。
今更だがギターを持っていたようで、私の近くに座ると早速ボロロ〜ンと優しい音色を奏でてくれる。
…あ、なんか心地良い。
「そう思って、シスターが寝れるような子守唄を屋根の上で作曲してきたんだ、熟睡できるぜ〜?」
「えっ、このためだけに作曲?…天才?」
「フフン、大切なシスターが熱にやられているんだ、オレにかかればこのくらい朝飯前さ」
ワオ、何ということでしょう…
弟たちや世の中は全く彼を相手にしないが、そろそろこの子の秘めたる才能に早く気付いた方がいいと思う。
「ありがとうカラ松、そこまでしてくれてたなんて…」
ギター弾ける、曲作れる、自分の顔入りタンクトップも作れる…
この次男、我が弟ながら素晴らしい原石そのものでは?
「それじゃあ、ぐっすり眠ってくれよ?
…カラ松より、『シーユー⭐︎バッド・フィーバー 〜ディープなスリープに落ちてゆけ〜』」
…なにその題名…。
結局、カラ松の優しいギターと子守唄は不思議と眠りを誘うものであり、私は早々に熟睡できたようだった。
…………………………………………
翌日、熱はすっかり下がっていた。
「みんなおはよう、昨日はありがとうね〜」
「ワーイ!ねーさん元気になったー!!」
リビングの襖を開けた私の姿を見るや否や、前でぴょんぴょん跳ねる十四松。
チョロ松もニコニコしている。
「やっぱり、元気な姉さん見ると安心するよね」
「んーでもボクはもうちょっとねえさんのお世話したかったかも〜。またねえさんが風邪引いたらボクが専属で看病してもいい?」
「うーんトド松、それは少し勘弁かな…」
いや、恥ずかしかったし…
「フッ、最後オレの子守唄で眠りの世界へ落ちていくシスター、グレイトだったぜ」
「はぇー…すげぇな姉さん、あれでよく眠れたな」
「…あり得ない…」
おそ松と一松の容赦ないツッコミはカラ松の耳には入っていないようだ。
まぁ、恥ずかしかったり焦ったり色々ありはしたけど、また弟たちに看病されるのも悪くないかも…なんて思ったり。
そして今日も、私は個性豊かな弟たちに囲まれるのであった。
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