弟たちよ、かわいくあれ
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私、松野松子!フリーター!
突然だけど、朝、目覚めたら寒気がして身体が重くて熱っぽくて、確実に風邪を引いたことに気付いちゃっても〜大変!
こんなふざけた始まり方をするくらいには頭が回らなくなっちゃってる!!
「はっくしゅん!」
…とまぁ、このくしゃみも恐らく55回目だ。ちなみに熱は38℃。
母さんにおとなしくしときなさいと言われ、とりあえず自室の布団の中にいる状況であるが…
ふと、時計を見るとお昼頃。そろそろ弟たちの誰かが起きてくる頃である。そのまま私が風邪を引いたことを聞きつけ、ここにやって来るに違いない。
前回自分が風邪を引いた時なんか6人同時に看病しに押しかけてきたものだから、見事に三密が成立してしまい最終的に全員風邪で寝込むという地獄絵図になってしまったことを今でも覚えている。流石に同じことを2度繰り返したくはない。
そしてしばらく眠りにつき、喉の渇きと共に目を覚ました。
枕元に置いたボトル水を飲んでいると、部屋のノック音と共に数センチだけ扉が開き、私を呼ぶ声がした。これは母さんだ。
「松子ごめんね、母さん夕飯の買い物に行ってくるけど大丈夫?ニート達には同時に押しかけないように伝えてるけど」
「うん、いいよー、大丈夫」
「もし私が帰る前にお腹空いたら、おかゆ作ったから誰かに持って来てもらってちょうだいね。なるべく早く帰るから」
「母さんありがとー」
ただでさえ家事で忙しいと言うのに、母とは偉大だと改めて痛感した。
そして母さんが出かけたであろう数分後、早速扉のノック音が。
「姉さん、僕だよ。開けても大丈夫?」
「チョロ松、大丈夫だよ」
入って来たのはチョロ松だけだった。
どうやら複数人で押しかけない約束をしっかり守ってくれているらしい。
「新しい水持って来たよ。汗で水分不足になっちゃうしね」
そう言って新しいペットボトルを持って来てくれたチョロ松は、心配そうに私の隣に座ってこちらを覗き込む。そんなに辛そうに見えるかな?私。
「ありがとー。あとそんなに心配そうにしなくても本当に大したことないから」
「いや姉さん、熱を甘く見たらダメなんだから。それにびっくりするくらい顔真っ赤だよ?自分で分からないの?」
「うーん、そうなの…?」
熱でぼーっとしているせいか、そう言った感覚が麻痺してしまっている。他人から見れば私はちゃんと病人らしい。
チョロ松は私のかなり緩くなった熱冷ましシートを剥がしておでこに手のひらを置くと、しっかり熱いね、とうんうんと首を縦に振る。
そしてチョロ松の手の温度が緩いシートよりもひんやりしていて心地よかった。
「チョロ松の手気持ちいい〜」
「そう?でも別に冷えてるわけじゃないよ?」
姉さんが熱すぎるんだよ〜というチョロ松は眉を下げ嬉しそうに笑っている。
なんだかチョロ松と2人になるのって久しぶりかも。
「なんか、こうして姉さんと2人でゆっくり話すの久しぶりだよね?」
あっ、先に言われた。
「そうだねー…熱下がったらさ、2人でご飯でも食べに行かない?」
「え、いいの?」
「勿論だよ。他の弟達とは2人で色々なところ行ってるけど、チョロ松とは最近全然いけてないもん。遠慮してるのかもしれないけどさ」
なんやかんやでバタバタしている私を良く知っているからか、みんなで行くならまだしも、2人でどこかに行こうとは自ら言わないチョロ松。
気を遣ってくれているのは分かるが、私としては家族一人一人との密なコミュニケーションを大切にしていきたいと思う。
「わかった!じゃあ姉さんの熱が治ったら一緒に美味しいもの食べに行こう」
チョロ松はニコニコと笑っている。嬉しそう、私もだけど。
「治す治す〜。あ、ねえチョロ松、熱冷ましシートの替え持って来てくれる…?」
「うん、いいよ。ちょっと待っててね」
そしてチョロ松が立ち上がったその瞬間、外からノック音が響き、返事をする前に勢い良く別の誰かによって部屋の扉が開かれた。
「松子ねーさーん!冷たいシート持って来たよ!」
「なっ!十四松、僕が持ってくるって言ったのに!?」
そう、正体は十四松だ。ちゃんとノックしたのは偉いぞ。
それにしてもタイミングが良いのか会話が聞こえていたのかなんなのか、とりあえず仕事が早すぎる。
「はいチョロ松兄さん交代!次はぼくが看病するね!」
「うっ…そうだった…仕方ないなぁ…」
少し腑に落ちない表情で退場するチョロ松。
なるほど、どうやら交代で看病しに来ると決めたみたいだな弟達は。
「…えーっとこうやって…はいっ、ねーさんどう?気持ちいい?」
十四松は先程のテンションとは想像が付かないほどゆっくりと丁寧な動作で私のおでこにシートを貼り付けてくれた。個包装から取り出したばかりということもあり、かなりひんやりしてて大変気持ちがいい。
「ん〜ありがとう十四松、冷たくて生き返る〜」
「アハハ!良かったぁ〜」
頭を撫でたいが寝ながらだと手が届かないため、とりあえず布団から片手を差し出すとニコニコとそれを両手で包む十四松。
「はっ…ねーさん、手もすんごい熱いよ、ねーさんの手で何かレンチンできそう」
十四松は私の手をふにふに触りながら、稀に見せるネコ目でそれを凝視する。
さっきのチョロ松といい、改めて私の身体って今そんなに熱いんだ。
「心配かけてごめんね、できるだけ早く治すから。そしたらまた散歩でもしに行こうよ」
「うん、行く行く!でも本当にきつそうだよ?ぼくが姉さんの熱倒せば治るかなぁ?」
「そ、それだけはやめてね…」
以前弟達が風邪ひいた際、私は仕事で難を逃れたが十四松が残る5人を看病したところ、風邪が治る代わりに全員十四松になるというとんでもない結末になってしまっていた。それだけは勘弁。
「うん、母さんが十四松は1人でいいって言ってたからやめとく!あと熱冷ましシート、いっぱい持って来たからここに置いとくね!」
「うん…ってえ!?こんなに!?」
10枚くらいかなぁとか思いながら反対側の枕元を見るやいなや、山盛りになっている熱冷ましシートに思わず病人であることを忘れて声を荒げてしまった。
いやいつの間にこんなに持って来たの!?
「じゃあ、ぼく次の人に交代するけど、熱冷ましシート足りなくなったらまた呼んでねー!」
いえ、足りないどころか全身に貼り付けて3回貼り替えても大量に余るほどだと思いますが。
「完全にシート係になってんのね…分かった、ありがとう十四松〜」
でも私のためにこんなに持ってきてくれたのだ、使わなければ。
「うん、また来るね!お大事に!」
十四松はこちらに分けて欲しいくらいの元気いっぱいな姿で部屋を出て行った。
「もったいないし首とか背中に貼ろうかな…」
次の弟が来るまでさっと貼ってしまおうか。
2人に看病されて多少のエネルギーがチャージされた気がする。身体を起こしてパジャマのボタンを2つ3つ外したその時、何故このタイミングで、と言わんばかりにノックもされず扉がスパン!と開かれた。
「長男様が看病しに来たよー!」
「デリカシー探して来て」
続く
突然だけど、朝、目覚めたら寒気がして身体が重くて熱っぽくて、確実に風邪を引いたことに気付いちゃっても〜大変!
こんなふざけた始まり方をするくらいには頭が回らなくなっちゃってる!!
「はっくしゅん!」
…とまぁ、このくしゃみも恐らく55回目だ。ちなみに熱は38℃。
母さんにおとなしくしときなさいと言われ、とりあえず自室の布団の中にいる状況であるが…
ふと、時計を見るとお昼頃。そろそろ弟たちの誰かが起きてくる頃である。そのまま私が風邪を引いたことを聞きつけ、ここにやって来るに違いない。
前回自分が風邪を引いた時なんか6人同時に看病しに押しかけてきたものだから、見事に三密が成立してしまい最終的に全員風邪で寝込むという地獄絵図になってしまったことを今でも覚えている。流石に同じことを2度繰り返したくはない。
そしてしばらく眠りにつき、喉の渇きと共に目を覚ました。
枕元に置いたボトル水を飲んでいると、部屋のノック音と共に数センチだけ扉が開き、私を呼ぶ声がした。これは母さんだ。
「松子ごめんね、母さん夕飯の買い物に行ってくるけど大丈夫?ニート達には同時に押しかけないように伝えてるけど」
「うん、いいよー、大丈夫」
「もし私が帰る前にお腹空いたら、おかゆ作ったから誰かに持って来てもらってちょうだいね。なるべく早く帰るから」
「母さんありがとー」
ただでさえ家事で忙しいと言うのに、母とは偉大だと改めて痛感した。
そして母さんが出かけたであろう数分後、早速扉のノック音が。
「姉さん、僕だよ。開けても大丈夫?」
「チョロ松、大丈夫だよ」
入って来たのはチョロ松だけだった。
どうやら複数人で押しかけない約束をしっかり守ってくれているらしい。
「新しい水持って来たよ。汗で水分不足になっちゃうしね」
そう言って新しいペットボトルを持って来てくれたチョロ松は、心配そうに私の隣に座ってこちらを覗き込む。そんなに辛そうに見えるかな?私。
「ありがとー。あとそんなに心配そうにしなくても本当に大したことないから」
「いや姉さん、熱を甘く見たらダメなんだから。それにびっくりするくらい顔真っ赤だよ?自分で分からないの?」
「うーん、そうなの…?」
熱でぼーっとしているせいか、そう言った感覚が麻痺してしまっている。他人から見れば私はちゃんと病人らしい。
チョロ松は私のかなり緩くなった熱冷ましシートを剥がしておでこに手のひらを置くと、しっかり熱いね、とうんうんと首を縦に振る。
そしてチョロ松の手の温度が緩いシートよりもひんやりしていて心地よかった。
「チョロ松の手気持ちいい〜」
「そう?でも別に冷えてるわけじゃないよ?」
姉さんが熱すぎるんだよ〜というチョロ松は眉を下げ嬉しそうに笑っている。
なんだかチョロ松と2人になるのって久しぶりかも。
「なんか、こうして姉さんと2人でゆっくり話すの久しぶりだよね?」
あっ、先に言われた。
「そうだねー…熱下がったらさ、2人でご飯でも食べに行かない?」
「え、いいの?」
「勿論だよ。他の弟達とは2人で色々なところ行ってるけど、チョロ松とは最近全然いけてないもん。遠慮してるのかもしれないけどさ」
なんやかんやでバタバタしている私を良く知っているからか、みんなで行くならまだしも、2人でどこかに行こうとは自ら言わないチョロ松。
気を遣ってくれているのは分かるが、私としては家族一人一人との密なコミュニケーションを大切にしていきたいと思う。
「わかった!じゃあ姉さんの熱が治ったら一緒に美味しいもの食べに行こう」
チョロ松はニコニコと笑っている。嬉しそう、私もだけど。
「治す治す〜。あ、ねえチョロ松、熱冷ましシートの替え持って来てくれる…?」
「うん、いいよ。ちょっと待っててね」
そしてチョロ松が立ち上がったその瞬間、外からノック音が響き、返事をする前に勢い良く別の誰かによって部屋の扉が開かれた。
「松子ねーさーん!冷たいシート持って来たよ!」
「なっ!十四松、僕が持ってくるって言ったのに!?」
そう、正体は十四松だ。ちゃんとノックしたのは偉いぞ。
それにしてもタイミングが良いのか会話が聞こえていたのかなんなのか、とりあえず仕事が早すぎる。
「はいチョロ松兄さん交代!次はぼくが看病するね!」
「うっ…そうだった…仕方ないなぁ…」
少し腑に落ちない表情で退場するチョロ松。
なるほど、どうやら交代で看病しに来ると決めたみたいだな弟達は。
「…えーっとこうやって…はいっ、ねーさんどう?気持ちいい?」
十四松は先程のテンションとは想像が付かないほどゆっくりと丁寧な動作で私のおでこにシートを貼り付けてくれた。個包装から取り出したばかりということもあり、かなりひんやりしてて大変気持ちがいい。
「ん〜ありがとう十四松、冷たくて生き返る〜」
「アハハ!良かったぁ〜」
頭を撫でたいが寝ながらだと手が届かないため、とりあえず布団から片手を差し出すとニコニコとそれを両手で包む十四松。
「はっ…ねーさん、手もすんごい熱いよ、ねーさんの手で何かレンチンできそう」
十四松は私の手をふにふに触りながら、稀に見せるネコ目でそれを凝視する。
さっきのチョロ松といい、改めて私の身体って今そんなに熱いんだ。
「心配かけてごめんね、できるだけ早く治すから。そしたらまた散歩でもしに行こうよ」
「うん、行く行く!でも本当にきつそうだよ?ぼくが姉さんの熱倒せば治るかなぁ?」
「そ、それだけはやめてね…」
以前弟達が風邪ひいた際、私は仕事で難を逃れたが十四松が残る5人を看病したところ、風邪が治る代わりに全員十四松になるというとんでもない結末になってしまっていた。それだけは勘弁。
「うん、母さんが十四松は1人でいいって言ってたからやめとく!あと熱冷ましシート、いっぱい持って来たからここに置いとくね!」
「うん…ってえ!?こんなに!?」
10枚くらいかなぁとか思いながら反対側の枕元を見るやいなや、山盛りになっている熱冷ましシートに思わず病人であることを忘れて声を荒げてしまった。
いやいつの間にこんなに持って来たの!?
「じゃあ、ぼく次の人に交代するけど、熱冷ましシート足りなくなったらまた呼んでねー!」
いえ、足りないどころか全身に貼り付けて3回貼り替えても大量に余るほどだと思いますが。
「完全にシート係になってんのね…分かった、ありがとう十四松〜」
でも私のためにこんなに持ってきてくれたのだ、使わなければ。
「うん、また来るね!お大事に!」
十四松はこちらに分けて欲しいくらいの元気いっぱいな姿で部屋を出て行った。
「もったいないし首とか背中に貼ろうかな…」
次の弟が来るまでさっと貼ってしまおうか。
2人に看病されて多少のエネルギーがチャージされた気がする。身体を起こしてパジャマのボタンを2つ3つ外したその時、何故このタイミングで、と言わんばかりにノックもされず扉がスパン!と開かれた。
「長男様が看病しに来たよー!」
「デリカシー探して来て」
続く
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