ちょっとおっちょこちょいな彼女の場合




ぜんいつーーーーーー！！！

おめでとっ！！


そういって駆けてくる大好きなあの子

どうしたの？
おめでとうって？？？

「えっ？」

やだ、とぼけちゃって！
照れなくていいのに！

誕生日！おめでと！善逸っ！

やだかわいい！！！！
かわいいけど…
今日って2日…だったよね？


「ぁ…ごめん、俺の誕生日…あした…」



走ってきたせいなのか、
ほんのりピンクに染まっていた頬。
ちょっとずつ少しずつ顔色が青ざめてく。

口をパクパクさせて

そりゃもう可愛いのなんのって

「え、やだ…私…」

「……いやいやいやいや！ありがとう！！！なまえちゃんに祝ってもらえるなんて、俺幸せものだよおおお！もういっその事誕生日今日にしちゃおっかなぁぁぁ！うふふ！」

だからお願い
そんな泣きそうな顔しないで

「ちょっと、アレだよね！あの…見切りすぎちゃったんだよね！1番に、祝ってくれようとしてたんでしょ？？」

ぐす、

「うん…」

よしよし。
わしゃわしゃと頭を撫でれば

耳まで真っ赤になって

あー
なんて俺って幸せものなんだ