彼と彼のサブ話
ハッカーことプログレスの聡明なおツムをもってしても"それ"に気がつけた時には既に手遅れだった。
彼は輪廻から抜け出せなくなっていたのだ。
彼は初めザカリー・ポッターと言う友人に殺された。
2年半を下水道で共に過ごし、死んだ妻や子の為とは別にザカリー・ポッターの為、街の為、プログレスは殺される事を選び。死んだ。
そして次に目が覚めた時、彼は画家になっていた。
彼は驚いたが、次第に勝手を掴みああこれは来世という物なのか。と客観的に理解していった。
そうして次のザカリー・ポッターに出会った。公園でスケッチに励む画家である彼に
下手くそだと声をかけてきた子供であった。
ザカリー・ポッターは6歳弱の子供だった、髪はブロンドで瞳もマリンブルーだった。
しかしハッカーには分かってしまった、その少年がザカリー・ポッターである事が。
その次はハッカーが子供だった。
19ばかりのやんちゃざかりの青年だった。
裏路地でストレートダンスを披露して暮らしてきた、大した稼ぎにはならずいつもひもじかった。
そうして途中でその生き方に飽きてしまい、自殺してしまった。
そのせいかこの時はザカリー・ポッターに出会わなかった。
その次はザカリー・ポッターに出会う事ができた。
彼はミルクティーブロンドが嫋やかな淑女だった。桃色にレースがふんだんにあしらわれたドレスを身にまとっており、出会い頭に思わず笑ってしまったのが駄目だった。
ザカリー・ポッターはいたくプログレスを嫌ってしまった。
この人生では何度となくザカリー・ポッターとの接触を試みたプログレスの努力も虚しく老衰で死ぬ最後の最後まで、笑ったことを許される日は来なかった。
ザカリー・ポッターは見た目も職も名前も性別も、下手をすれば生物としての根本を変えてプログレスの前に現れる。
プログレスはそれなのにその度何故だかこれがザカリー・ポッターであると理解する。
ある時はザカリー・ポッターが赤髪の綺麗な女であった為、なすがままにと押しに押して結婚した。
子に恵まれ孫に恵まれ、プログレスは確かに幸福な人生を彼こと彼女と共に過ごすことができた。
しかし、また彼と彼は巡りに巡る。
これで終わりか、と思うのにまだ彼らは終わらない。
プログレスはザカリー・ポッターに出会えた人生を数える事をやめた。
出会えたと言っても旅行先ですれ違っただけとか、そんな事も多々あった。
彼と知り合う事が辛うじてできた人生と、彼と知り合う事も会うこともできなかった人生。
どちらが多いのかと言われるとプログレスの脳を持ってしてもイマイチ分からなくなってきたのだ。
ある時は捨て犬になったプログレスをザカリーが拾って、またある時は家無し子のザカリーをハッカーが拾って。
ある時プログレスとザカリーは異国ですれ違って、ある時は大学の屋上から落ちるザカリーを偶然にもプログレスは見てしまって。
ある時は電気椅子にかけられたプログレスをザカリーが見送って。
プログレスは恐ろしくも思っていた。
何度人生を始め終え、始め終え、幾度となく終わりのないそれを繰り返す度に、心のどこかでザカリー・ポッターを求めてしまうのだから。
ある時、この人生ではザカリー・ポッターに会いたく無いと思ってしまった時があった。
それからだった、ザカリー・ポッターのいない人生を歩むようになったのは。
彼は輪廻から抜け出せなくなっていたのだ。
彼は初めザカリー・ポッターと言う友人に殺された。
2年半を下水道で共に過ごし、死んだ妻や子の為とは別にザカリー・ポッターの為、街の為、プログレスは殺される事を選び。死んだ。
そして次に目が覚めた時、彼は画家になっていた。
彼は驚いたが、次第に勝手を掴みああこれは来世という物なのか。と客観的に理解していった。
そうして次のザカリー・ポッターに出会った。公園でスケッチに励む画家である彼に
下手くそだと声をかけてきた子供であった。
ザカリー・ポッターは6歳弱の子供だった、髪はブロンドで瞳もマリンブルーだった。
しかしハッカーには分かってしまった、その少年がザカリー・ポッターである事が。
その次はハッカーが子供だった。
19ばかりのやんちゃざかりの青年だった。
裏路地でストレートダンスを披露して暮らしてきた、大した稼ぎにはならずいつもひもじかった。
そうして途中でその生き方に飽きてしまい、自殺してしまった。
そのせいかこの時はザカリー・ポッターに出会わなかった。
その次はザカリー・ポッターに出会う事ができた。
彼はミルクティーブロンドが嫋やかな淑女だった。桃色にレースがふんだんにあしらわれたドレスを身にまとっており、出会い頭に思わず笑ってしまったのが駄目だった。
ザカリー・ポッターはいたくプログレスを嫌ってしまった。
この人生では何度となくザカリー・ポッターとの接触を試みたプログレスの努力も虚しく老衰で死ぬ最後の最後まで、笑ったことを許される日は来なかった。
ザカリー・ポッターは見た目も職も名前も性別も、下手をすれば生物としての根本を変えてプログレスの前に現れる。
プログレスはそれなのにその度何故だかこれがザカリー・ポッターであると理解する。
ある時はザカリー・ポッターが赤髪の綺麗な女であった為、なすがままにと押しに押して結婚した。
子に恵まれ孫に恵まれ、プログレスは確かに幸福な人生を彼こと彼女と共に過ごすことができた。
しかし、また彼と彼は巡りに巡る。
これで終わりか、と思うのにまだ彼らは終わらない。
プログレスはザカリー・ポッターに出会えた人生を数える事をやめた。
出会えたと言っても旅行先ですれ違っただけとか、そんな事も多々あった。
彼と知り合う事が辛うじてできた人生と、彼と知り合う事も会うこともできなかった人生。
どちらが多いのかと言われるとプログレスの脳を持ってしてもイマイチ分からなくなってきたのだ。
ある時は捨て犬になったプログレスをザカリーが拾って、またある時は家無し子のザカリーをハッカーが拾って。
ある時プログレスとザカリーは異国ですれ違って、ある時は大学の屋上から落ちるザカリーを偶然にもプログレスは見てしまって。
ある時は電気椅子にかけられたプログレスをザカリーが見送って。
プログレスは恐ろしくも思っていた。
何度人生を始め終え、始め終え、幾度となく終わりのないそれを繰り返す度に、心のどこかでザカリー・ポッターを求めてしまうのだから。
ある時、この人生ではザカリー・ポッターに会いたく無いと思ってしまった時があった。
それからだった、ザカリー・ポッターのいない人生を歩むようになったのは。
1/5ページ