献花
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まず私の自己紹介…というより、ショウ君の質問から答えようかな。苗字ナマエ、現在大学生をしています。怖い…体験だったけど、未だに現実に起きたことだと受け取りがたいの。
私はつい一ヶ月前にレイコちゃんの家庭教師になったばかりなんだけど、その前はお花屋さんでアルバイトしてたの。今はもう辞めちゃったけどその時の話を…ビデオに撮られるのはちょっと恥ずかしいけど、伝えられる限りを話すね。
私の家はこの街のちょっと坂の上にあって、みんなが噂しているあの怪談レストランに行く道の途中にあるの。そこから学校へは自転車で通学していて、その通学路の途中にお花屋さんが一軒あるのだけど…知ってるかな?そのお花屋さんでアルバイトを募集していたのが全ての始まり。
アルバイトをして二ヶ月経ったくらいから、お店におかしな男の人が毎日来る様になったの。すごく気味が悪くて、気付くといつも私の後ろに立ってるのよ…あ、言っておくけどこの人はちゃんとした人だから。手を出された訳でもないし、お客さんだし邪険に出来ないじゃない?何も言えなくて笑顔で接客してたらその人、ある日私に薔薇の花束と一緒に好きだと伝えてきたの。随分ロマンティックなやり方だったけど、名前も知らないし正直言って好意を一切持ってなかったから丁重にお断りしたわ、本当に丁寧にね?
「すみません…お客様のお名前も存じておりませんし、受け取る事は出来ません」
「こんなに好きなのに?何で?毎日一緒に居たのに何で?何で?」
「え…あの、ですから一緒に居たとかそういうのではなくて…」
「…許さないからな」
そういってその時は店から出て行ったの。あの時の許さない、って声…まだ耳に残ってる。それからよ、毎日嫌がらせが始まったのは。店に来て私を指名してはいつまでも注文を言わなかったり、急に抱きついたりしてきて警察沙汰になったり…あ、ストーカーのお話が今日の怖い話って訳じゃないのよ?とにかく執着心っていうのかな…本当にあの時は怖かったの。警察が毎日巡回してくれて何とか近寄られる事はなくなったけど、いつまでも遠くから見張っているのは感じ取ってたわ。みんなも変な人が付いてきたら迷わず交番に駆け込むのよ?いい?
それでね、私も精神的に追い込まれていったの。外に出るのが怖くなっちゃって、いつも誰かに見られてるような感覚がしてた。お店の店長さんはとっても優しくて、店を辞めろとか言わない本当にいい人だった。毎日家の近くまで送ってくれるくらい私の事を気に掛けてくれてて、もう一人のお父さんみたいな感じだったな…。しばらく帰りに送ってくれていた店長さんだったけど、その日どうしても私を送る事が出来なくなってしまったの。何度も一緒に帰ってくれていたけど、一度もあの男に遭遇してなかった事もあって、私は大丈夫だからと一人で帰ったわ。
それが間違いだったの。
「一人で帰るのって久しぶりだなぁ。…店長に申し訳ないよ、はあ…」
もう少しで家ってところで私は気が付いたの。自分以外の足音がぴったりと張り付いてきてるのを。家までは一本道だし、人が普通に歩いてきていれば見えるはずなのに後ろを振り返っても誰も居ないの。…気付いた時には私は走ってたわ。走ると同時に足音も一緒についてきて、一瞬だけ振り返るとあの男が鈍く光る何かを振り回しながら追いかけて来てた。もちろん直ぐにそれが包丁だと分かったわ。
死ぬんだ、私…死を覚悟しても人間走れるものなんだよね、とにかく一本道を走って走り続けた。だけど男は足が遅いのか何なのか、一向に距離が縮まらなくてこのまま行けば引き剥がせそうな勢いだった。とりあえずどこかに隠れてやり過ごそう、殺されないように隠れよう、そう思って辺りを見渡すと…
「っここにしよう…!」
思いっきり走って息の切れた私はそう、あの廃墟、怪談レストランに逃げ込んだの。あの時鍵はかかっていなくて、すんなり入れたわ、入ってすぐ扉を閉めて目を瞑って外の音を聞いていた。すると…
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