ごろごろ
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ごろごろ
ごろごろ…
「ふふ」
ごるごる…
「ふわふわ」
にゃふにゃふ
「気持ち良いものなんですか?」
「そりゃあもうふにゃふにゃしちゃう位にゃぁ…にゃふぅ」
「そうなんですか、ふふ…」
受付の隅でナマエは化け猫の喉を撫で、猫と飼い主の戯れのように楽しそうに小さく笑う。
白い小さな手の細い指がふわふわとした喉を撫でるたび、大きな妖怪はごろごろと猫特有の文字通り猫撫で声を出して喜んだ
ぎりり…!
そんな幸せそうな光景に似つかわしくない木の軋む音をさせ、二人を無表情で見つめながら殺気をかもしだす男が一人。店のドアから二人を見つめ顔は無表情だが相当気が立っており、握力のみで大切な店の一部のドアを握りつぶしそうな勢いだ。それを見て見ぬフリをするのが己の身を護る一番の安全策だろう、店のスタッフは誰一人として声を掛けようとはしなかった。
二人がしばらく歓談していると、いつ現れたのかナマエの後ろに無表情の男が一人立っているではないか。ナマエは気付くと嬉しそうに挨拶をするのだが、化け猫の方はというと顔を強張らせ先程とは正反対に恐怖に慄いていた。
「今日は随分と楽しそうで」
先程の無表情とはうって変わって、にこりと笑うその男、ギャルソンの笑顔は絵に描いたような完璧な笑顔だったが、それは確実に目だけが笑っていない。それに気付いた化け猫は触ってはいけないもので遊んでいた事にようやく気がついたのだった。
「え?そんな、いつも楽しいですよ!ね、化け猫さん」
「え!そ、そうですにゃ…えーと、そろそろ休憩時間終わりだから行こうかにゃー…」
「もうですか?もう少しもふもふしたかった…」
一瞬この行為は初めてだと嘯こうとした化け猫だったが、いつもと先手打たれてしまいその言葉に眉間が動いた笑顔のギャルソン。
ナマエは残念そうな顔で呟き、それを見ているギャルソンの殺気がひしひしと体中を突き刺していく。
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