信じられた人の話
誰もいない資料館を巡る。
ここにある資料はとても貴重だ。
名もない誰かとして消費されて炉端に打ち捨てられた誰かの声がこんなにもたくさんあるのだから。
ひたすらにページをめくる。
紙の擦れる音だけが響く。
ページをめくるたびに増えていくのは疲労感だけだ。
ここにいる誰とも知らない誰かさんの話を集めたところでなんかもなりゃしない。
別に語り部になるわけでもない。
熱心に勉強してるわけでもない。
ただ彼らを一人ぼっちにしたくないだけだ。
こんなに頑張って
嫌な思いをして
歴史の数字にしかしてもらえない。
彼らは生きていた。間違いなく。
普通に歩いて
普通に笑って
普通に泣いて
普通に悲しんで
普通に生きて
普通に死んだんだ。
誰にも覚えられることもなく
誰にも感謝されない。
大きな集合体として、概念として彼らが祀られている場所はある。
ただそこに彼らはいるのだろうか。
そこに訪ねる人たちはここにいる彼らのことを知ってるのだろうか。
頭じゃわかっているさ無駄なことだって。
歴史という意味では彼ら以上にちっぽけな、数字にすらなれない僕ごときが彼らを一時期認識していたからなんだって話だ。
そうだ、これは自己満足だ。
彼らを憐れむ僕のエゴだ。
何者にもなれない僕が
何者にもなることを奪われた彼らに対する救済という名の自慰行為だ。
こうして彼らの神様になって彼らを救う。
安全で、安心な時代から一方的に彼らに感情を押し付ける。
むなしい。
くるしい。
神様になりたい。
ここにある資料はとても貴重だ。
名もない誰かとして消費されて炉端に打ち捨てられた誰かの声がこんなにもたくさんあるのだから。
ひたすらにページをめくる。
紙の擦れる音だけが響く。
ページをめくるたびに増えていくのは疲労感だけだ。
ここにいる誰とも知らない誰かさんの話を集めたところでなんかもなりゃしない。
別に語り部になるわけでもない。
熱心に勉強してるわけでもない。
ただ彼らを一人ぼっちにしたくないだけだ。
こんなに頑張って
嫌な思いをして
歴史の数字にしかしてもらえない。
彼らは生きていた。間違いなく。
普通に歩いて
普通に笑って
普通に泣いて
普通に悲しんで
普通に生きて
普通に死んだんだ。
誰にも覚えられることもなく
誰にも感謝されない。
大きな集合体として、概念として彼らが祀られている場所はある。
ただそこに彼らはいるのだろうか。
そこに訪ねる人たちはここにいる彼らのことを知ってるのだろうか。
頭じゃわかっているさ無駄なことだって。
歴史という意味では彼ら以上にちっぽけな、数字にすらなれない僕ごときが彼らを一時期認識していたからなんだって話だ。
そうだ、これは自己満足だ。
彼らを憐れむ僕のエゴだ。
何者にもなれない僕が
何者にもなることを奪われた彼らに対する救済という名の自慰行為だ。
こうして彼らの神様になって彼らを救う。
安全で、安心な時代から一方的に彼らに感情を押し付ける。
むなしい。
くるしい。
神様になりたい。