カプなし、カプ未定、他キャラ
ぼんやりと月光さんの背中を見る。
いつもは体の長さに意識が行きがちで細身な印象やけど、いざ脱ぐとめちゃめちゃしっかり筋肉がついとる。はじめて一緒に風呂に入った時、服を脱いだ途端体がぶ厚くなった気がして声出してもうたんはええ思い出や。
日焼けしとらんからか、夜光灯の下でぼんやり発光しとるように見える。月光さんより日焼けしとる俺は、どんなふうに見えとるんやろ。
(お前が見えている、とか言いそうやな。それか興味は無いってはぐらかされるか。無言で抱きしめてくるんもありやなぁ)
すっ裸のまま布団にくるまると、シーツの細い感触が気持ちええ。ちょっとそうしてればあっという間に布団中は温かくなって、服着るのに出るのが嫌になってくる。
俺も月光さんも裸になっとるけど、別に大したことはしてへん。
お互いの服脱がしあって、抱きしめたり、手つないだり、いろんなところにキスしたり。お互い健全な男子高校生やから、途中で抜き合いっこしたり。
ほんまにそれだけ。いや、抜き合いっこはかなり大したことか。
そんでも、俺らにとっては大したことやなかった。
抜き合いっこしたらまた抱きしめて、キスして、ひたすら相手の体に触れてひっつくだけ。
セックスとかそういうんやない。
ただお互いの体温をわけあって、肌と肌をぴったりくっつけて、そこにおるんやなぁって感じとるだけ。
それがめっちゃ気持ちよくて、そうしとったら月光さんとなんかが通じ合っとる気がするから。
(もうちょい、ええやろ)
布団中より寒い部屋の空気は、それでも全然温かい。
だらしなく這いずりながら月光さんの背中にひっつくと、少しだけ呆れたような吐息が聞こえた気がした。
実のところ、月光さんから「好きだ」と言われたことは無い。
俺も、「好きです」と言ったことは無い。
そういうんやないから。俺らはこうやって裸で抱き合って人には言えんことしとるけど、やからってそういうわけやないんや。
月光さんの肩に顎を乗せる。筋肉ついとっても骨のごつさは消えんくて、あご裏に突き刺さってちょっと痛い。
「にゃー」
なんとなく猫の鳴きまねしたら、顔だけこっち向けてくれた。力加減が大雑把な手が頭を撫でまわして、頭がグラグラ揺れる。それがなんかオモロくて、クスクス笑いながら腕を月光さんの首に巻き付ける。肩に引っ掛っとった布団が滑り落ちた。
「わんわん」
「……一つに統一しろ」
「構ってください」
ゆっくりと体をこっち向けてくれた月光さんに抱き着く。
背中に回された腕が、強く抱きしめてくれて体が密着する。
「きもちええですね、月光さん」
「そうだな……」
それからまた色々触りあいっこしてから、俺らは服を着て自分らのベッドで寝た。
布団からはみ出すように見える月光さんの頭は、やっぱりぼんやり発光しとる気がした。
いつもは体の長さに意識が行きがちで細身な印象やけど、いざ脱ぐとめちゃめちゃしっかり筋肉がついとる。はじめて一緒に風呂に入った時、服を脱いだ途端体がぶ厚くなった気がして声出してもうたんはええ思い出や。
日焼けしとらんからか、夜光灯の下でぼんやり発光しとるように見える。月光さんより日焼けしとる俺は、どんなふうに見えとるんやろ。
(お前が見えている、とか言いそうやな。それか興味は無いってはぐらかされるか。無言で抱きしめてくるんもありやなぁ)
すっ裸のまま布団にくるまると、シーツの細い感触が気持ちええ。ちょっとそうしてればあっという間に布団中は温かくなって、服着るのに出るのが嫌になってくる。
俺も月光さんも裸になっとるけど、別に大したことはしてへん。
お互いの服脱がしあって、抱きしめたり、手つないだり、いろんなところにキスしたり。お互い健全な男子高校生やから、途中で抜き合いっこしたり。
ほんまにそれだけ。いや、抜き合いっこはかなり大したことか。
そんでも、俺らにとっては大したことやなかった。
抜き合いっこしたらまた抱きしめて、キスして、ひたすら相手の体に触れてひっつくだけ。
セックスとかそういうんやない。
ただお互いの体温をわけあって、肌と肌をぴったりくっつけて、そこにおるんやなぁって感じとるだけ。
それがめっちゃ気持ちよくて、そうしとったら月光さんとなんかが通じ合っとる気がするから。
(もうちょい、ええやろ)
布団中より寒い部屋の空気は、それでも全然温かい。
だらしなく這いずりながら月光さんの背中にひっつくと、少しだけ呆れたような吐息が聞こえた気がした。
実のところ、月光さんから「好きだ」と言われたことは無い。
俺も、「好きです」と言ったことは無い。
そういうんやないから。俺らはこうやって裸で抱き合って人には言えんことしとるけど、やからってそういうわけやないんや。
月光さんの肩に顎を乗せる。筋肉ついとっても骨のごつさは消えんくて、あご裏に突き刺さってちょっと痛い。
「にゃー」
なんとなく猫の鳴きまねしたら、顔だけこっち向けてくれた。力加減が大雑把な手が頭を撫でまわして、頭がグラグラ揺れる。それがなんかオモロくて、クスクス笑いながら腕を月光さんの首に巻き付ける。肩に引っ掛っとった布団が滑り落ちた。
「わんわん」
「……一つに統一しろ」
「構ってください」
ゆっくりと体をこっち向けてくれた月光さんに抱き着く。
背中に回された腕が、強く抱きしめてくれて体が密着する。
「きもちええですね、月光さん」
「そうだな……」
それからまた色々触りあいっこしてから、俺らは服を着て自分らのベッドで寝た。
布団からはみ出すように見える月光さんの頭は、やっぱりぼんやり発光しとる気がした。
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