カプなし、カプ未定、他キャラ
真っ白な霧の立ち込めるどこかを、毛利は懸命に走っていた。
うっすらと見える枝葉をかき分けて、湿った土を蹴りあげて。
必死に手を伸ばす。
「月光さん!」
「お前が大切だから、手放すんだ」
濃霧の向こう側から、声だけが響いていた。
「嘘つき」
独りぼっちのベッドの中で、毛利は目元を腕で覆った。
うっすらと見える枝葉をかき分けて、湿った土を蹴りあげて。
必死に手を伸ばす。
「月光さん!」
「お前が大切だから、手放すんだ」
濃霧の向こう側から、声だけが響いていた。
「嘘つき」
独りぼっちのベッドの中で、毛利は目元を腕で覆った。