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カプなし、カプ未定、他キャラ

「さながら、ごんぎつねのようだな」
 突然降ってきた言葉の意図をいまいち汲みきれず、毛利は口元をむずむずと動かす。その隣で汗を拭き、ドリンクを飲んでいた柳は思わず幸村と顔を見合わせた。
「ふふ、ごんぎつねか。懐かしいな」
「……だが」
「「お前たちが迎えた結末はかなり違う」」
「とあなたは言うでしょう」
 どこか憮然とした色が見え隠れしている声は、しかし越知の言葉を否定するつもりはないようだ。自分の思い違いではないと柳の表情から確信した越知は、静かに毛利へと目線を移した。
「よかったな、毛利」
「え? あ、えーっと、そう、みたいですね?」
 突然降ってわいたごんぎつねの話題が、どうして自分たちとつながるのか。
 いまいち飲み込めていない毛利は、なぜか越知のまとう雰囲気が微笑ましそうにしているように思えて眉をハの字に下げる。
「誰か、柳、説明してくれへん?」
「ご自分の胸に手を当てて考えてみてはどうですか?」
 やはりまだどこか辛辣な響きのある後輩の声に、毛利は今度こそ困り切った笑みを浮かべて後頭部に手を当てた。
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