立海大附属中学校調理部副部長の私。丸井に負けない最高のケーキを作ることが今の目標!部長の代わりに出席した生徒会会議で書記の柳蓮二くんを見てからドキドキする…
第2冊目
お前は確かA組の…
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「さて、始めようか」
そう言うと柳くんは鞄からいくつかボトルを取り出した。いずれも茶色がかった緑であったり、赤黒かったり、かと思えば鮮やかな紫色であったり、食品と思えない色をしている。
「まずはこれだ」
柳くんが最初にコップに注いだのは赤黒くドロっとした何かだ。
「…これは、どんな効果が?」
「鉄分補給、貧血改善が期待される。安心しろ、衛生的には問題無い」
コップを口に持っていくだけでおよそ口に入れるものでは無い匂いがするけれど、私は覚悟を決めて一気にグラスを傾けた。
「ん…んっ!?」
想像していたよりもはるかに形容しがたい味に思わず思いっ切り咳き込む。柳くんがまるで予測していたかのように水を差し出してくれた。さすが柳くん、なんて気配りができる人なんだろう。
「柳くんこれ何入れたの!?」
「生レバーとあさり、海苔の佃煮、卵黄、それから…」
柳くんが挙げていく材料は確かにどれも鉄分豊富なものばかりだ。
「柳くん、貧血改善の前に失神しそうなんだけど」
「和で統一すれば大丈夫かと思ったのだが」
「何も良くない!」
机をばんと叩くと、柳くんの目が少し開いた。
「いい、なんでもかんでも入れればいいって訳じゃないの」
私は調理室の棚から栄養価の表を取り出して、持ってきた新しいノートの表紙をめくった。
「例えばほら、この大豆とか。豆乳に置き換えて、バナナで味を整えたり、あとここ、ピュアココアも鉄分があるでしょ、それでココア風にしてみるとか。スムージーよりも裏ごししてさらさらしている方が飲みやすいし…」
本に書いてあることをペンでさしたりしながらノートに書き込んでいく。
柳くんは時々頷きながら私の話を聞いていた。
「よし、これで1回試作してみよう」
「わかった。島野さんはケーキ作りの下準備に取り掛かってくれ」
「あ、柳くん」
「どうした?」
「名前、碧海でいいよ」
ついに言ってしまった。なんでもない風を装いつつも、心臓は大きく律動している。
「わかった。では俺の事も蓮二と呼んでくれて構わない」
自分のことを蓮二と呼ぶ柳くん、もとい蓮二くんにときめきつつわかった、と軽く返事をする。調理台のしたで思いっきりガッツポーズを決めてから、ケーキ作りに取りかかった。
そう言うと柳くんは鞄からいくつかボトルを取り出した。いずれも茶色がかった緑であったり、赤黒かったり、かと思えば鮮やかな紫色であったり、食品と思えない色をしている。
「まずはこれだ」
柳くんが最初にコップに注いだのは赤黒くドロっとした何かだ。
「…これは、どんな効果が?」
「鉄分補給、貧血改善が期待される。安心しろ、衛生的には問題無い」
コップを口に持っていくだけでおよそ口に入れるものでは無い匂いがするけれど、私は覚悟を決めて一気にグラスを傾けた。
「ん…んっ!?」
想像していたよりもはるかに形容しがたい味に思わず思いっ切り咳き込む。柳くんがまるで予測していたかのように水を差し出してくれた。さすが柳くん、なんて気配りができる人なんだろう。
「柳くんこれ何入れたの!?」
「生レバーとあさり、海苔の佃煮、卵黄、それから…」
柳くんが挙げていく材料は確かにどれも鉄分豊富なものばかりだ。
「柳くん、貧血改善の前に失神しそうなんだけど」
「和で統一すれば大丈夫かと思ったのだが」
「何も良くない!」
机をばんと叩くと、柳くんの目が少し開いた。
「いい、なんでもかんでも入れればいいって訳じゃないの」
私は調理室の棚から栄養価の表を取り出して、持ってきた新しいノートの表紙をめくった。
「例えばほら、この大豆とか。豆乳に置き換えて、バナナで味を整えたり、あとここ、ピュアココアも鉄分があるでしょ、それでココア風にしてみるとか。スムージーよりも裏ごししてさらさらしている方が飲みやすいし…」
本に書いてあることをペンでさしたりしながらノートに書き込んでいく。
柳くんは時々頷きながら私の話を聞いていた。
「よし、これで1回試作してみよう」
「わかった。島野さんはケーキ作りの下準備に取り掛かってくれ」
「あ、柳くん」
「どうした?」
「名前、碧海でいいよ」
ついに言ってしまった。なんでもない風を装いつつも、心臓は大きく律動している。
「わかった。では俺の事も蓮二と呼んでくれて構わない」
自分のことを蓮二と呼ぶ柳くん、もとい蓮二くんにときめきつつわかった、と軽く返事をする。調理台のしたで思いっきりガッツポーズを決めてから、ケーキ作りに取りかかった。