立海大附属中学校調理部副部長の私。丸井に負けない最高のケーキを作ることが今の目標!部長の代わりに出席した生徒会会議で書記の柳蓮二くんを見てからドキドキする…
第1冊目
お前は確かA組の…
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お願い真田!柳くんへの差し入れの許可出して!」
席に着いている真田に駆け寄り、両手を顔の前でぱんと合わせて、できる限り頭を下げる。
「なぜ俺に言う」
下を向いているから真田の顔を見ることは出来ない。怖い、死ぬと思いつつも言葉を続ける。
「勝手に差し入れすると絶対怒られると思って…」
「…顔を上げんか」
手を解いてゆっくり顔をあげる。ついつい平手打ちでもお見舞いされると思ったけど、声は怒っていないようだ。意外と優しいのかもしれない。相変わらず顔は怖いままだし、腕を組んでいるから余計に圧がすごいけれど。
「俺にわざわざ許可を求めるとは、たるんどる。真っ向勝負でいかんか」
やっぱり怒られた。けど、これは許可を出してくれてるのだろうか。顔が怖くて分かりづらい。
「基本的に、衛生的でプレイに支障が出るレベルの味で無ければ問題無いだろう。蓮二もきっと受け取ってくれるはずだ」
「真田…めっちゃ優しいじゃん」
「な、なんなのだ急に」
若干引かれたようだが、鬼かと思ってたと言えばまた怒られるだろうから黙ってにこりと笑って誤魔化した。
「とにかく、そういったものをきちんと用意すればの話だ」
「真田、私を舐めてもらっちゃ困るよ」
私が柳くんに向けてそんなもの出すわけないだろ、とちょっとむっとして答える。
「こんな時のために、真田に許可を出して貰う用にも作ってきたから!」
真田用に分けた小さな箱を渡す。真田は無言で受け取り、早々に蓋を開いた。
「これは、ゼリーと…クッキーか?」
「蜂蜜レモンのゼリーとレモンのマカロン。マカロン食べたこと無い?」
初めて見るな、と言いながら手に取ってまじまじと見つめる。ぱくりと一口で食べると、不思議そうな顔をした。大丈夫、私も味見したから美味しいはずだけど…
「もう一つ、貰ってもいいか」
真田が私を見上げる。どうやら美味しかったようだ。どうだ、私の勝ちだ。
「真田用に分けたやつだから、全部食べていいよ」
「そうか、ありがとう」
そう言うと、もう一つを今度はちゃんと美味しそうにマカロンを頬張る。その反応を待ってた。
「真田ってさ」
「何だ」
真田がゼリーを口に運ぶ手を止める。
「話してみると案外大丈夫って言われるでしょ」
「…」
真田は不機嫌そうに、ゼリーを全部平らげた。
席に着いている真田に駆け寄り、両手を顔の前でぱんと合わせて、できる限り頭を下げる。
「なぜ俺に言う」
下を向いているから真田の顔を見ることは出来ない。怖い、死ぬと思いつつも言葉を続ける。
「勝手に差し入れすると絶対怒られると思って…」
「…顔を上げんか」
手を解いてゆっくり顔をあげる。ついつい平手打ちでもお見舞いされると思ったけど、声は怒っていないようだ。意外と優しいのかもしれない。相変わらず顔は怖いままだし、腕を組んでいるから余計に圧がすごいけれど。
「俺にわざわざ許可を求めるとは、たるんどる。真っ向勝負でいかんか」
やっぱり怒られた。けど、これは許可を出してくれてるのだろうか。顔が怖くて分かりづらい。
「基本的に、衛生的でプレイに支障が出るレベルの味で無ければ問題無いだろう。蓮二もきっと受け取ってくれるはずだ」
「真田…めっちゃ優しいじゃん」
「な、なんなのだ急に」
若干引かれたようだが、鬼かと思ってたと言えばまた怒られるだろうから黙ってにこりと笑って誤魔化した。
「とにかく、そういったものをきちんと用意すればの話だ」
「真田、私を舐めてもらっちゃ困るよ」
私が柳くんに向けてそんなもの出すわけないだろ、とちょっとむっとして答える。
「こんな時のために、真田に許可を出して貰う用にも作ってきたから!」
真田用に分けた小さな箱を渡す。真田は無言で受け取り、早々に蓋を開いた。
「これは、ゼリーと…クッキーか?」
「蜂蜜レモンのゼリーとレモンのマカロン。マカロン食べたこと無い?」
初めて見るな、と言いながら手に取ってまじまじと見つめる。ぱくりと一口で食べると、不思議そうな顔をした。大丈夫、私も味見したから美味しいはずだけど…
「もう一つ、貰ってもいいか」
真田が私を見上げる。どうやら美味しかったようだ。どうだ、私の勝ちだ。
「真田用に分けたやつだから、全部食べていいよ」
「そうか、ありがとう」
そう言うと、もう一つを今度はちゃんと美味しそうにマカロンを頬張る。その反応を待ってた。
「真田ってさ」
「何だ」
真田がゼリーを口に運ぶ手を止める。
「話してみると案外大丈夫って言われるでしょ」
「…」
真田は不機嫌そうに、ゼリーを全部平らげた。