5話 こんな大人になれたらいいのに。
卯月さんに訊かれて来週の予定を思い起こす。日曜日だけシフトが入っていることを伝えれば、卯月さんは安堵したように頷いた。
「じゃあ土曜の夜、予定空けといて」
「夜? どこかに行くんですか?」
「泊まりに来いよ、俺んとこ」
「……え、ええっ!?」
突然の申し出に驚いて叫んでしまった。慌てて両手で口を塞ぐ。こんな時間に大声を出したらご近所迷惑になってしまう。
「う、卯月さん……本気で言ってる?」
「本気だけど」
いつになく真剣な眼差しの卯月さん。この誘いはつまり、つまり、そういうこと……!?
「やっと私を抱いてくれる気になったんですね!」
「違う」
「ウホっ!?」
「ゴリラかよ」
期待は一瞬にして砕け散った。期待した自分が馬鹿なんだけど。いつの間にか卯月さんのことを兄のように慕っていて、抱かれたいという本来の欲求が希薄になっていた。
そうだ。本当の目的を忘れちゃいけない。私はこの人に抱かれてみたくて近づいたんだ。二人きりの料理教室やお祭りデートを楽しむ為じゃない。
――なんて思っても、卯月さんと離れたくない自分がいるのも本当で。
「土曜はくまも連れて来いよ。当日の主役はくまだから」
その一言が私の思考を遮断した。くまちゃんが主役ってどういうこと?
「オモチャでも買ってくれたんですか?」
「それは内緒」
意地悪そうな笑みを浮かべながら卯月さんは答えた。当日まで教えてくれる気はないらしい。
「じゃあ土曜の夜、予定空けといて」
「夜? どこかに行くんですか?」
「泊まりに来いよ、俺んとこ」
「……え、ええっ!?」
突然の申し出に驚いて叫んでしまった。慌てて両手で口を塞ぐ。こんな時間に大声を出したらご近所迷惑になってしまう。
「う、卯月さん……本気で言ってる?」
「本気だけど」
いつになく真剣な眼差しの卯月さん。この誘いはつまり、つまり、そういうこと……!?
「やっと私を抱いてくれる気になったんですね!」
「違う」
「ウホっ!?」
「ゴリラかよ」
期待は一瞬にして砕け散った。期待した自分が馬鹿なんだけど。いつの間にか卯月さんのことを兄のように慕っていて、抱かれたいという本来の欲求が希薄になっていた。
そうだ。本当の目的を忘れちゃいけない。私はこの人に抱かれてみたくて近づいたんだ。二人きりの料理教室やお祭りデートを楽しむ為じゃない。
――なんて思っても、卯月さんと離れたくない自分がいるのも本当で。
「土曜はくまも連れて来いよ。当日の主役はくまだから」
その一言が私の思考を遮断した。くまちゃんが主役ってどういうこと?
「オモチャでも買ってくれたんですか?」
「それは内緒」
意地悪そうな笑みを浮かべながら卯月さんは答えた。当日まで教えてくれる気はないらしい。